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LAKE STAGE 11:40

「歴史」と「未来」を貫くロックの誇りと強度

原爆投下から70年の節目に、長崎出身のホリエアツシ(VOCAL, GUITAR, PIANO)はすべての戦争に「NO」を突き付けた祈りの歌“NO 〜命の跡に咲いた花~”を発表した。そして、長崎が70回目の「原爆の日」を迎えたこの日、ストレイテナーはここROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015 のステージに立った――LAKE STAGEにはフェス最終日の高揚感と同時に、そのメモリアルなステージを余すことなく心に刻もうというオーディエンスの意欲が静かに満ちているし、メンバー4人がサウンドチェックで鳴らした“ROCKSTEADY ”の段階から高らかな拍手が沸き起こっている。そして、SEとともに意気揚々と登場したホリエアツシ/ナカヤマシンペイ(DRUMS)/日向 秀和(BASS)/大山 純(GUITAR)、1曲目から“From Noon Till Dawn”で会場を沸点越えのロックの地平へと鮮やかに導いていく! 
さらに最新フルアルバム『Behind The Scene』から“The World Record”のハイブリッド・ファンクビートでオーディエンスの情熱とがっちりギアを合わせ、「ROCK IN JAPAN、LAKE STAGE! 一緒に声を上げようぜ!」というホリエのコールに応えて一面にシンガロング&クラップの輪が広がる。立て続けに流れ込んだ“DISCOGRAPHY”のナカヤマ&日向の強靭なビートが観客一丸のハイジャンプを巻き起こし、LAKE STAGEをがっつり揺さぶっていく。常に揺るぎなく、誇り高く、ひたむきにロックを研ぎ澄ませてきたストレイテナーの音楽が、最高の祝祭感をもって広大な空間に鳴り渡り、満場の歓喜を呼び起こしていく。至上の瞬間だ。ホリエが奏でるピアノの静謐なイントロを経て“SAD AND BEAUTIFUL WORLD”のホリエ&大山のギターサウンドが夏風を激しく刻み、その紅蓮の狂騒感は“シンデレラソング”のキメ連射とソリッド&ラウドな音像でよりいっそう凄絶さを増していく。




 「この夏のために書いた、反戦の曲をやります。聴いてください」。アコギに持ち替えたホリエの言葉とともに披露された楽曲はもちろん“NO 〜命の跡に咲いた花~”。《僕らは逃げも隠れもしない/心まで汚れちゃいない/ここから始まる未来と/ここに至る過去を抱いて》……真摯な想いを綴ったホリエの歌声とアコギの調べが、豊潤な包容力に満ちたナカヤマ/日向/大山のアンサンブルと融け合って、夏の青空に染み渡っていく。「今日、8月9日は、長崎の『原爆の日』です」とホリエが語る。「戦争が終わって70年後の今、生きてる僕たち、そして、これから産まれてくる子どもたちが、戦争に怯えることなく真っ直ぐに、自由に夢を見て、叶える希望を持って生きていける――そして、こうやって音楽を、楽しいことを全力で楽しめる未来を作っていきましょう!」。LAKE STAGE一面に熱い拍手が沸き起こる。
そこから「一緒に歌ってくれ!」(ホリエ)と“Melodic Storm”で圧巻のシンガロングを噴き上がらせたところで、ナカヤマの「こんな炎天下で、そんなニコニコ暴れている君たちは、とても狂っているように見える。まるで、狂った戦士たちのようだ! ラスト! ひたちなか、LAKE STAGEの、バーサーカーに捧ぐ!」のコールから“BERSERKER TUNE”でシンガロングとダンス弾ける大団円! 肩を組んで一礼する4人を讃える、満場の拍手と歓声。感動的なステージだった。(高橋智樹)



この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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