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GRASS STAGE 14:30

ときに優美な、ときに誰よりも熱いステージ

白地に赤い柄模様を配した、どこかエキゾチックなデザインの衣装がパッとステージに映える、木村カエラ。「くるりの岸田くんが来てくれましたー。ちょっと一曲、一緒にやりたいと思います」。つい先ほどまでこのGRASS STAGEで素晴らしいパフォーマンスを見せていた岸田がアコギを奏で、カエラの凛とした美声にハーモニーを添えるのは、くるり“奇跡”のカヴァーである。これまた、暑さを凌ぐ名演だ。




歌い終え、笑顔で手を振り合って岸田を見送ると、「“奇跡”、大好きな曲なんです。このステージで歌えて本当に嬉しいです。ちょっと静かな曲で始まっちゃったんだけど、私は最初から元気にやりたいので、みんなジャンプ出来ますか?」と呼び掛けて放たれるのは、《みんなの笑顔がみ・た・いーっ!!》という突き抜けた声がフィールド一杯の人々を照らし出すような“Magic Music”である。さらにクリスピーな歌のフックが弾けてオーディエンスを跳ね上がらせる“sonic manic”、カエラ自身が大きく腕を振りながらステップし、刺激的なCGアニメーションを背景に率先して踊り歌う“BANZAI”と、明るい金髪になった髪を振り乱すことも辞さないアッパーな展開。よーちゃんこと4016(Bass)、テリーこと中村圭作(Keyboard)、キャシーこと柏倉隆史(Drums)、そしてしのっぴこと渡邊忍(Guitar)らお馴染みのライヴメンバーを紹介し、「久しぶりにやる曲です」と届けられるのは“You”。カエラのエネルギーを引き出し、ドラマティックな演奏も映えるナンバーだ。



これまでに何度も、このGRASS STAGEでタオル回しの光景を生み出してきた“Circle”。カエラが優雅にスピンするラストまで、夢見心地に美しい。かと思えばギターを抱えて一発で覚醒させるような“BEAT”もぶっ放されるし、ハンドマイクでスキップするようにステージ上を駆ける“Super girl”から、鋭いアクションを連発しながらの“TREE CLIMBERS”という楽曲の並びも強烈だ。


そして「みんなが明日からもね、その次の次の次の次の明日もね、素敵な一日を迎えられるように、心を込めて歌います」と披露されたのは、“TODAY IS A NEW DAY”。願いというより、能動的に素敵な明日を掴まえにいくような、カエラらしいエネルギーに満ちた歌である。最後には、TVドラマ『37.5℃の涙』の挿入歌としてもオンエアされている9/2リリース予定の新曲“EGG”をライヴ初披露。折り重なるバンドサウンドの中から、じっくりと決意の歌を届けてくる。まるでステージ上にもう一つの太陽があるような、眩く熱い木村カエラが、そこにはいた。(小池宏和)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2015」は9月12日発売予定です! 全ライヴアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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