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COUNTDOWN JAPAN 12/13 クイックレポート



遂にDIR EN GREYがCOUNTDOWN JAPANに姿を現す。というか、彼らが国内のこういったロックフェスに出演すること自体が非常に貴重であり、期待せずにはいられない。客電が落ちて真っ暗になると、緊張を煽るような青い照明が明滅。そしてやっとメンバーの姿が暗闇に浮かびあがり、“THE BLOSSOMING BEELZEBUB”がはじまったかと思ったら……うわっ、通常のスクリーンに加えて、ステージ全面を紗幕で覆って映像を映し出している! 目を塞ぎたくなるようなものも眼前に晒す映像……これを、多彩な人が訪れるこのフェスでやってのけるとは! 何処に行っても俺たちは変わらない。目を開けろ、感じろ。――そういった無言のメッセージに見えた。曲が終わると、前方からは歓声が、後方からは驚嘆のざわめきが止まらない。さらに、美しいピアノの旋律から“LOTUS”へ。未だ紗幕は掛かったままで、映像の中で5人が演奏しているようだ。最後に京(Voice)が一人だけ照らされて、それがパッと消えるというドラマティックな瞬間も。映像も照明も含めて、クオリティはワンマンと違わぬ妥協なき演出だ。そして、今年リリースされたシングル“輪郭”でも、紗幕の向こう側に向かって手を伸ばすオーディエンス。その後、京のスクリームが暗闇に響き渡り、“凌辱の雨”がはじまると共に……いよいよ紗幕が取り去られ、5人の姿が露わに! 「おおおお!」という歓声があがる。ここからは怒濤の流れ。”HYDRA -666-”では、お前らもやってみろよ!と言わんばかりにフロアが明るく照らされる。“冷血なりせば”では薫(G)、Die(G)、Toshiya(B)もステージを縦横無尽に動き出す。これぞ、海外のフェスで闘ってきたバンドの魅せる力だ。さらに、Shinya(Dr)の高速過ぎるビートに京の絶唱が追い打ちを掛ける“DIFFERENT SENSE”と進み、京が「ラストです」と一言。意外なMC(一言だけど)に驚いているうちに、“激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇”がスタート。彼らのライヴでは、オーディエンスのシンガロングに包まれるナンバーだが、今日も京はマイクをフロアに向けていた。気付くと、後ろの方でも頭を振っている人が結構いる。最後、京は手を叩き、笑顔を見せてステージを降りた。この様子が、いろいろと物語っていたと思う。ライヴとは何たるものか?という究極の答えを見せられた気がした。(高橋美穂)