『流星ワゴン』、ついに最終回

『流星ワゴン』、ついに最終回
終わってしまった……ドラマ『流星ワゴン』。
同い年の父親との過去をやり直す旅を通して、結局、最悪な現実は変わらなかった。あんなに泣いて、あんなに殴り合って、あんなに本音でぶつかったのに、少しだけ変わったのは自分だけ。今をちゃんと生きようと決める、ただそれだけだった。
親は子に、子は親に、夫は妻に求めるものがあって、お互いを深く理解しているという自信と相手を思う気持ちが大きいほど、それを無理やり押しつけて苦しめる。その状態のまま別れを迎えつつあった親子が朋輩として出会い、ともに過去と戦うことで、お互いの父として、息子としての思いを体験した。最後の最後に初めて父に向けられたまっすぐな「生きるよ」という言葉と、チュウさんと父親が重なった瞬間は、「あのときああしていれば」を抱えて生きるすべての人たちを救った。


やさしい夫であったり、傷だらけになって戦ったり、強引で破天荒な男として妻や子供をドキッとさせたり……これまでのキャリアで培った力をすべてぶつけたような表現で、その魅力をめいっぱい爆発させた西島秀俊。ドラマの撮影中に行ったCUT2月号の表紙巻頭取材では、その現場について「こらえても涙が溢れてしまう」と語っていたが、感情が噴出せざるをえないこの物語は、彼にとってこれまででもっとも心と体を全力でぶつけた作品だったのではないだろうか。
そして西島秀俊の最新作は、5月9日公開の映画『脳内ポイズンベリー』! 4月18日発売のCUT次号では、西島秀俊と佐藤祐市監督の対談を掲載します。インタビューでも語っているように、この映画でも彼はかなり挑戦してます。こちらもお楽しみに!(川辺)
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