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いつものようにSEなしでステージに現れたPay money To my Pain。上半身裸のK(Vo)が「ロッキン、遊ぼうぜ」と告げると、PABLO(G)が奏でる切ないギターフレーズから“Anxiety”へ突入。真っ青なライトがステージ全体を照らす中、ドラマの始まりを告げるような雄大なアンサンブルが届けられていく。そのまま“Here I'm singing”へ突入すれば、T$UYO$HI(B)とZAX(Dr)の重戦車リズム隊とKの超絶スクリームが炸裂! 「ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!」という呼び掛けに導かれ、満場のオーディエンスが詰めかけたWING TENTは面白いほどに揺さぶられていく。

獰猛なグルーヴがハイスピードで疾走した“Terms of surrender”、硬質なギターと破壊力バツグンのビートが静と動のコントラストを描いた“Weight of my pride”では、PTPならではの研ぎ澄まされたアンサンブルの美しさが見せつけられる。ステージ中央のモニターに両足をかけて仁王立ちしながらリリックを放つKの勇壮な佇まい含め、なんてライヴに映えるバンドなんだろうと改めて感服させられる。

それだけでもオーディエンスの心とカラダをブルブル震わせるには十分すぎるほどなのに、「最近よく『お前は一体なにと闘ってるんだ?』と言われるんだけど。自分だ、バカヤロウ! そのために無茶苦茶カラダ鍛えて無茶苦茶ストイックに生きてるんだ!」というKのキラーMCが! もちろん、場内に沸き起こるのは怒号のような大歓声!! そのまま“Sweetest vengeance”(和訳すると「親愛なる復讐」だそうです)という新曲がドロップされたのだが、最初の一打からラウドにブチかまされる爆音と、憂いを帯びたメロディの輝きが、彼らの真摯すぎるほどにストイックな生き様をそのまま映し出しているようで、ものすごく感動的だった。ラストは「オーオーオー!」のシンガロングが壮麗に響きわたった“Pictures”を叩きつけて30分のアクトは幕切れ。深々とお辞儀をしてステージを去るKの姿が、とても印象的だった。(齋藤美穂)