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夏のROCK IN JAPAN FESTIVALと冬のCOUNTDOWN JAPANその両方においてレギュラー並みの出演数を記録しているバンドであり、オーディエンスの胸の中にも多くの記念碑的ライヴを残している彼ら。なので、全アーティスト中、フェスでのパフォーマンスというものを誰よりも熟知しているのが実はこの3人ではないか?と思ったりするのだが、この日のステージも憎いくらいの手際の良さで40分を一瞬にして、そして最大の効果を残して駆け抜けていった。そもそも、開演前のサウンド・チェック時から、誰がどう聞いてもPOLYSICSなシンセビートが大音量で鳴り響けば、オーディエンスがGALAXY STAGEへと移動していくのは自明の理。この時点で早くも只ならない空気が漂い始める。
そんな熱い注目の中始まったライヴだが、これがすでに試合巧者の模範演技のような流れ。お馴染みの“Heavy POLYSICK”のSEに乗って登場するや、「トイス!」のシャウト数発と共に、異常に忙しいビートでオーディエンスの首筋や手足を高速振動させる“Bleeping Hedgehog”でスタート。間髪入れず、ハヤシの「行こうぜ、行こうぜ!」のシャウトで始まった2曲目は、今度は場内の掛け声を加速させる“シーラカンス イズ アンドロイド”。オーディエンスの快感ポイントを承知した、フェスの磁場というものを身体で理解している者だからこそ考案できた必殺の流れ。その調子で4曲たて続けにライヴは進行し、さすがにちょっと一息つく時間が必要か、MCタイムが入る。「(半ば一人言で)頭振りすぎた…(トイス!ならぬ)シワス! シワス! 12月に入って、相変わらずこのコール&レスポンスをみなさんと出来て嬉しいです」などなど、話すネタが多過ぎて、しっちゃかめっちゃかになりながら、3月3日の通算1000本ライヴ、3月4日の15周年記念ライヴ、ニュー・アルバムなども告知。今年最後のライヴであることを告げ、いやでもオーディエンスに“必死でかかってこい”感を促してみせる。そこからは最早、テクノというよりもバイオレンスといった方が適正な、ラウド・ロック並みに上がる曲順でノン・ストップ7曲も披露。“Young OH! OH!”が終わるあたりでハヤシが「ここからは、幕張、踊る時間だ~」と叫んでいたのだが、言われなくてもとっくの昔から踊ってるよ、と返すようにそこからテンションを一段と上げていくオーディエンスもまたすごいものだった。(小池清彦)