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カウントダウンを務めたフラカンに続いてMOON STAGEに登場したのは、plenty。1年前は、この音楽サイトRO69のアマチュアバンド・コンテスト企画「COUNTDOWN JACK」の、優勝アーティスト全6組の1つとして登場したわけで、それからわずか1年でこうして普通に出演していると思うと、なんだか信じられない。が、まずは1年前にもここでプレイした“後悔”、続いて“ボクのために歌う吟”“ゆれて…”と、「自分と世界の闇を見つめる」以外の行為を聴き手から奪い去るような漆黒の名曲たちを連打するplentyを観ていると、そんなこっちの感慨なんか関係ないように思える。しかし、続くMCで江沼(vo&g)、「……あの、実は、知ってる人は知っている、みたいな感じなんですけど。時間はちょっと違うんですけど、実は去年も、同じ日に、同じステージに立ってまして。……そんだけなんですけど、うれしいなあって。なんか、やり場のない感謝の気持ちが……ありがとうございます」。なんだ「やり場のない」って。でも、やっぱりうれしいんだ。ちょっとほっとした。「話は控えめなバンドでいきたいと思います。それが今年の抱負です」と言った江沼は、続いて“東京”“明日から王様”“拝啓。皆さま”という鉄壁のセットリストで、このバンドの破格の才能を見せつけるだけ見せつけて、ステージをしめくくった。(兵庫慎司)