リアムと扇風機。

リアムと扇風機。

リアムの取材と言えば、
ホテルの取材部屋が妙に寒かった。
コートを脱ぐのを一瞬ためらうくらいの寒さだった。
と言うか、明らかに冷房が入っていた。


そんな時、ふと目に入ってきたのが扇風機だ。
いわゆる家庭用の、ベーシックな扇風機がリビングの角に1台置いてあるのだ。
奥のベッドルームに入ったら、そこにも1台扇風機が置いてあった。

取材部屋に置かれた2台の扇風機。
これは一体なんだと思ったら、


「リアム、暑がりなんですよ」とのことだった。


いやいや。
いやいやいや。

だって、この日の東京は寒かった。
昼からずっと冷たい雨が降っていて、夕方にはそれが雪に変わってクソ寒かった日だ。
百歩譲って冷房はともかく、さすがに扇風機はないだろう扇風機は。

インタヴュー中に扇風機がぶんぶん首を振り出したらどうしようかと思ったけど、
幸いその2台の扇風機は最後まで稼動することはなかった。



でもまあ、
自慢のプリティ・グリーンのシャツに、万が一でも汗ジミとか作りたくない気持ちは分かる。
それに、リアムが暑がりというのも何となく分かる気もする。

なにしろこの人、取材中もとにかくオーバーアクションで忙しないのだ。
こんなところで闇雲にカロリー消費してんなぁ…と感心するような所作の数々なのだ。

ステージ上での微動だにしない仁王立ちが嘘のように、
45分のインタヴュー中に7回、8回と椅子から立ち上がり、
パントマイムさながらのジェスチャー付きで熱弁を奮うリアム。



「つまりロックンロールなわけよ」

と言いたいがためだけにがばっと立ち上がり、
エアギターし始めた時はさすがに口から何かを噴出しそうになってしまいましたが。
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