きのこ帝国、一歩踏み出したフルアルバム

きのこ帝国、一歩踏み出したフルアルバム

現在発売中のJAPAN3月号にVo・G佐藤へのインタヴューを掲載しているきのこ帝国。
先週発売になったアルバム『eureka』、聴けば聴くほど傑作だ。
タイトルは「見つけた」とか「わかった」とかいう意味で、そこには明らかに希望と光がある。
アルバムに収録されている曲も、基本的には絶望とか憎悪とか敵意とかを下敷きにしながら、
そこからどうやって「今」を肯定し「未来」に向かうかというベクトルで描かれている。
音楽性とか、あとライヴでの雰囲気とかは暗くて壮絶でノイジーなもので、
この佐藤さんの中には間違いなく大きな闇とか過去の絶望とか鬱屈した感情が根を張っていて、
その根っこがきのこ帝国の表現の源泉になっているのだが、

(あ、曲の世界観とか歌詞に描かれる風景はじっとりとしてますが、
実際会って話す佐藤さんはさっぱりしたキャラで、それだけに、
きのこ帝国を聴くと見ちゃいけないようなもの見ちゃったような感じがしてゾクゾクするのです)

前作『渦になる』をつくり、きのこ帝国という名前に注目が集まるようになってから、
そのメカニズムも少しずつ変わってきているようだ。
今回、合宿を組んでレコーディングを行ったらしく、バンドの中の温度も上がっているみたい。
インタヴューでも、彼女は確信に満ちた言葉でバンドの現状に対する手応えを語っていた。

『eureka』、まだ聴いていない人はぜひ聴いてください。(小川)
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