グッド・メロディを届けたい!その思いが爆発した怒涛の2時間半、アンコールのロックンロール名曲カバー・コーナー含めほぼ28曲全力で走りきった。
メジャーファーストアルバム『憧れられたい』リリース後の長いツアーで、ライヴ中に歯が折れたり紆余曲折あったそうだが、そんないろいろな思いが、さらにいえば山形でバンドを組んで上京し、なかなか日の目をみなかった時代のロックンロールへの強い思いとか夢とかが、ステージから溢れ出ているようだった。最後の挨拶で星川(B)が、黄色い声援を浴びながら「ここからが始まりだ」と言っていたが、まさにそんな門出のような祝福感に溢れていた。
ちなみにアンコールの3曲目では、なんと!毛皮のマリーズ・志磨が突然の飛び入り!?
「買い物の途中に観にきただけなのに」と言いつつ、ハイロウズの“ロックンロール黄金時代”を平田ぱんだとふたりで仲良く熱唱。「これ、きみのだよね」「いや、使ってください」とマイクスタンドを譲り合うやりとりも微笑ましかった。
さらにもう1曲、ボヘミアンズのキラーチューン“おぉ!スザンナ”を志磨が歌うことに。もちろん会場は湧きまくり。平田は「バンドがなくなるからボヘミアンズと乗っ取ろうとしている。のるな、のるな!」と言いつつも嬉しそうにギターを抱えていた。
過剰で、無邪気で、サプライズも飛びだすボヘミアンズのロックンロール・ショーは、まだ幕が上がったばかり。明後日からはアルバムの制作が始まるという。これからが楽しみだ。
(井上)