菅田将暉さん主演の舞台『ロミオとジュリエット』を観てきました。


蜷川幸雄演出による、すべての役を男性が演じるオールメール作品。冒頭の喧嘩シーンからもう、若い役者たちの荒々しい色気が爆発していて、前のめりで彼らのパワーを全力で受け止めなければついていけない、そんな迫力が満ちた美しい物語。それでいて、オールメールならではの男子的なノリも楽しい、まったく観たことがない『ロミオとジュリエット』なのでした。


ロミオを演じた菅田将暉さんは現在発売中のH最新号のインタビューで、ロミオというキャラクターへの数々の疑問と、「ロミオの化けの皮を剥がしたい」ということを語っていましたが、その答えをばっちり見せてくれました。


気分にムラがあって、表情も考えもコロコロ変わって、筋が通ってるのか通っていないのかよくわからないロミオ。でも、快活で人懐こくて、友達にも年長者にも女性にも、みんなに愛されるロミオ。何も考えていないようで、ふとした表情に知性と強い意思が漲る、菅田さん演じるロミオは本当に魅力的で、彼にめいっぱい感情を振り回された3時間でした。


菅田将暉さんの次回作は、女装男子に扮する映画『海月姫』。ポスターも公開されていますが、一瞬、誰が菅田さんなのかわからない……それぐらいの堂々たる女っぷり。作品ごとに見たことのない色気で驚かせてくれる菅田さんの次の表情がまた楽しみ。（川辺）