名作『ホットロード』、奇跡の映画化のすべて

名作『ホットロード』、奇跡の映画化のすべて

明後日6月19日(木)発売のCUTの巻頭特集は「マンガと映画が愛しあうとき」。
表紙は、『ホットロード』主演の能年玲奈さんです。
原作者・紡木たくさんの絵をバックに、主人公の和希として凛とした表情で立っているこの姿が目印です。
以下、誌面にも掲載している記事の紹介文です。
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1986年から1987年にかけて別冊マーガレットに連載された伝説の人気コミック『ホットロード』。この作品が映像化されることはないと思われていた。マンガのなかの、特に和希と春山という主要登場人物ふたりに描きこまれた、孤独で今にも壊れそうな危うさを抱えながらも、未来へと続く道を歩み始めるひたむきな強さ――それは、紡木たくの絵でなければ、あの線と、あのコマ使いと、あの言葉の配置でなければ消えてしまいそうな、とても神聖なものに思えたからである。そして紡木たく自身は、既に読者の心のなかで、それぞれの時間と共に生き始めているこの物語が、映像化されることによって誰かに触れられてはいけないと考えていた。一方、昨年の『あまちゃん』大ヒットにより一気に国民的人気女優となった能年玲奈が、天野アキの次に演じる大きな役が何であるのか、そして彼女がどんな演技をするのかにも世間の注目は集まっていた。映画『ホットロード』は、この全く別個のふたつの重圧を抱えた企画だった。しかし、この映画はその重圧を乗り越えて素晴らしい映画になった。そこには、もちろんいろいろな人の思い、決断、努力、闘いがあったのだと思う。もし、それを一言で言うなら「マンガ『ホットロード』と映画『ホットロード』が愛しあった」ということなのだろう。紡木たくは能年玲奈に初めて会い、そして彼女の演技を観たときに「和希に見えます」とだけ言ったそうだ。紡木たくが「和希に見える」と思えたことの重み、それをこの特集の検証記事と能年玲奈インタビューから感じてもらい、多くの人が劇場に足を運んでくれたら嬉しい。
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(古河)
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