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3人のホーン・セクションを含むバンドを引き連れ、華やかに登場したのは、スガシカオ。「ひたちなか、元気かーい! FUNKをやりに帰ってきたぜー! みんな楽しんでいってくれ!」というハイテンションな叫びと共に、ド派手で愉快なファンク・セッションに突入。チョッパーベースにあわせて、お客さんのハンドクラップを煽る。オーディエンスも一気にスイッチ・オン! そのままジャムは“コノユビトマレ”へとなだれ込む。バンドのメンバーたちの楽しいダンスも飛び出し、思わずスガが笑いそうになる場面も。軽快なメロディとハッピーなサウンドがたちまちファンキーな祝祭空間を生み出す。

続けて、四つ打ちの強いビートとともに“奇跡”が始まる。ダンサブルなサウンドを容赦なくステージから浴びせかけ、スガは太陽光線をサングラスで跳ね返しながら、媚薬のようなポップ・ソングたちをLAKE STAGEにばら撒いていく。
この時点で、もう十分にファンキーだったというのに、「そろそろ本気でファンクやるぞー!」と叫んで“俺たちファンクファイヤー”へ突入すると、昨年、事務所やメジャーレーベルから離れて独立した彼の強い想いが伝わってくる魂のファンクが溢れ出す。その想いに応えるまでもなく、ここからは音に体が抗えない!といった感じのオーディエンスが、それぞれ歓声を送り、踊り、歌い、とても自由で興奮度の高い時間に。

そして、ラストの“ストーリー”ではスリリングな男女の駆け引きをサウンドにしたような絶妙なアレンジが、濃密な時間を演出。最後まで今のスガシカオの音楽へのアグレッシヴな姿勢が感じ取れた、確信あるライヴだった。(上野三樹)