「開放感あふれる会場で、これから約1時間、素晴らしい音楽を聴かされ続けるという、その苦行！」と、ユーモラスに、悪の親玉感たっぷりに届けられる煽りナレーション。「YELLOW VOYAGE」ツアーに登場していた超大物声優、銀河万丈さんですよね？ というわけで、ゆっくりと夜が訪れる時間帯の初日GRASS STAGEトリはこの人。リッチで生き生きとした大所帯バンドのサウンドの中から、「こんばんはー！ 星野 源でーす！」と景気のいい挨拶を投げかけ、ステージ狭しと動き回りながら“地獄でなぜ悪い”に“化物”と楽曲群を放つのだった。

「すごい。みんな来てくれて本当にありがとうございまーす！」とエリアいっぱいのオーディエンスに感嘆＆感謝の言葉を届け、日差しの強かった1日について気遣う。自らもギターを携えると、“桜の森”、真夏に雪の降りしきるCGアニメーション演出を用いた“Snow Men”とパフォーマンスを続けてゆく。「気持ちいい……涼しくなってきたねえ」とマイペースにステージを味わったり、物販の宣伝をしたり。歌声を求めながらの“夢の外へ”に続いては、こんなに爆発力のあるホーンアレンジだっけ？という“Crazy Crazy”で沸かせるのだった。

盟友ぞろいの辣腕バンドメンバーを丁寧にひとりずつ紹介し、本編残り3曲＋アンコールまでを予告するというお決まりのスタイルを見せると、土曜日の三日月の下で“SUN”に“Week End”と陽性ファンキーな楽曲を連打する。オーディエンスを温かな笑顔のまま踊らせ、歌と音がすべての人の手をとって未来へと導くかのような“時よ”では、「この全員がまた会うことはないけど、もし会えたら、笑顔で会いましょう！」と告げるのだった。予告どおりのアンコールは、視界いっぱいに掌が揺れる“Friend Ship”。《胸の窓光る先に／手を振りながら／離れゆく場所で／笑い合うさま》。それこそが、星野 源のいる場所だ。（小池宏和）

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。