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ギラッギラの太陽が照りつけるSOUND OF FOREST中からの巨大なハンドクラップで迎えられ登場したムック。「始めるぞぉ〜! 踊るぞぉ〜!」という逹瑯(Vo)の言葉を合図に“フォーリングダウン”をスタートすると、会場いっぱいに集まったオーディエンスから大歓声が巻き起こる。強烈な日差しをものともせず、ムックがパワフルでアグレッシヴなサウンドで攻めれば、オーディエンスもまた全力で踊り歌って応え、いきなりクライマックスの盛り上がりをみせる。「あっつい! 焼けちゃうな〜。焼けちゃうだろ? 焼けちゃうか! 全員で跳ぶぞ!!」と逹瑯のMCを挟んで“咆哮”を繰り出せば、重厚感あるビートがみっちり集まったオーディエンスのテンションをさらに高く蹴り上げていく。中盤ではオーディエンスからの大合唱も。バンドとオーディエンスの息のあった一体感は見ていて鳥肌モノだった。

高らかに足を上げながら歌う逹瑯も圧巻だが、ステージを駆け回りながら緻密なフレーズを繰り出すミヤ(G)のギター、アグレッシヴなブラスト・ビートで痛快に攻めるSATOち(Dr)、アップライトベースまで持ち出して心地良いグルーヴを奏でるYUKKE(B)も貫禄と言っていいほどの存在感。本当に華のある4人だ。SOUND OF FORESTをペロリと飲み込むスケール感あるサウンドを繰り広げながら、聴き手を圧倒するというより巻き込んでいく感じが、ムックのライヴの楽しさだろう。2011年のROCK IN JAPANでもSOUND OF FORESTに出演した彼らだが、「去年、ムックは学びました。真昼のステージに裸足で上がっちゃいかんということを」(逹瑯)と昨年の苦い思い出を語ってオーディエンスを笑わせると、「全然、暑くないね。もっと行ける。この暑さはきっと嘘だ!」(逹瑯)とエンジンをかけ直し、“ニルヴァーナ”、“ファズ”とカオティックなビートでさらに攻め立てる。ラストの“蘭鋳”ではオーディエンスを全員座らせて、SATOちのドラムに合わせて一気にジャンプ! 逹瑯も思わずニヤリと笑って「ありがとう!」と一言。灼熱の時間帯ながら、ムックとオーディエンスとが一体となったパフォーマンスは、本当に壮観だった。(大山貴弘)