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日差しが和らぎ、だいぶ過ごしやすくなってきた。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012の初日、GRASS STAGEも残り2アクトとなり、スタンディングゾーンはYUKIの登場を待ちわびるお客さんでいっぱいだ。まずはバンドのメンバーがスタンバイし、一斉に大きな一音を鳴らすとYUKIが登場。まるでオブジェのように、頭に大きな羽根をつけ、長いフリンジが揺れる白いワンピース姿だ。すぐさまスタンドマイクで“the end of shite”を歌い始める。今年、ソロ・デビュー10周年を迎えた彼女のファースト・シングル曲である。今日のYUKIはとにかく強い目線とキレのある動きで気迫を感じさせるパフォーマンス。続く“WAGON”ではステージを左右に歩き回りながら歌い、更にオーディエンスを煽る。

「私は今年、ソロ・デビュー10周年を迎えることができました。今までもたくさん作ってきましたが、また新曲を作りました、やってもいいですか?」と尋ねると、もちろん大歓声。「大人って何だろう?と思って書いた曲です。私の歌には色んな主人公がいますが、いつも私の願いと希望が込められています」と披露されたのは8月29日にリリースされるシングル曲“わたしの願い事”。ちょっぴり切ないトーンのサウンドにチャーミングなメロディと願いを乗せて、舞うように踊りながら懸命に歌うYUKI。ここに集まったたくさんの人たちの願いも全部乗せて空に届けるような、そんな神聖さとダイナミズムが宿っていた。
少し暗くなってきたシチュエーションも味方につけて、“ランデヴー”、“鳴いてる怪獣”などでは更にドラマチックに、更にスケール感いっぱいに歌を届けていく。強いビートと共に、キュートなのに凄まじい迫力とでっかい音で音楽を届けていくYUKI。みんなも操られるかのように、一緒に怪獣のポーズをする様は、まさに本日のハイライト。ラストの“ワンダーライン”まで誰もがYUKIに夢中になってしまうほどの音楽の魔法がGRASS STAGEに降り注いでいた。(上野三樹)