
残すところGRASS STAGEも2アクト……そんな切ない感情渦巻くフィールドにさらにロックの炎を燃え上がらせるのはこの人、吉井和哉! TRICERATOPS・吉田佳史(Dr)をはじめ、鶴谷崇(Key)、日下部正則(G)、三浦淳悟(B)という自身のツアーで鍛え上げたバンド編成でGRASS STAGEに降り立った吉井、“THE APPLES”のSEからそのまま心と身体に濃密に絡み付くロックンロール・ナンバー“ACIDWOMAN”、さらに“VS”のアグレッシブかつ艶やかなダンス・ロックへ流れ込む!……という最新アルバム『The Apples』の展開から、“WEEKENDER”の強烈なドライヴ感で5万人をロックの極点へとぐいぐい導いていく。
「どうも吉井和哉です! なんか、すごいな! 感動してます」と、上気したオーディエンスの顔を見回して語る吉井。「今日は短い間ですけど、新しい楽曲と、今の日本に歌わなきゃいけない曲があるので……すべての人の魂に歌います」というMCに続けて歌い上げたのは、イエロー・モンキー時代の真摯なハード・バラード“球根”! 《土の中で待て命の球根よ/魂にさあ根を増やして/咲け… 花》というフレーズが困難に満ちた日本の「今」を奮い立たせる何よりのアンセムとして狂おしく、誇らしく響き渡る。再び『The Apples』モードでソリッド&ファンキーな“MUSIC”から“クランベリー”へつなげてみせたところで、パワフルで晴れやかなロックンロール“ONE DAY”! 曲終わりで「最高のONE DAY!」と、この場の全員に語りかける吉井。「今年リリースさせてもらった曲で、柄にもなく愛と平和って何だろう?って思って作った曲なんですけど。震災以降、違う意味を持つようになった曲で。とにかく……前の日本よりすごい日本を目指して歌いたいと思います」と語る吉井。歌うのはもちろん“LOVE & PEACE”だ。《プリーズ もうこれ以上 悪い出来事が君と僕とに起きないように》……この場で歌うすべての曲を時代への、そして「今、ここ」へのメッセージで埋め尽くそうとするような彼の切実なアティテュードが、その歌とプレイのひとつひとつから滲み出してくる。
「このフェスを挟んで、また冬にツアーをやろうと思うんだけど、アメリカ人のギタリスト=ジュリアン・コリエルに代わって、素晴らしいギタリストが弾いてくれます!」という吉井のコールとともに登場したのは、Nothing's Carved In Stone・生形真一! 生形/日下部のツイン・ギターで叩きつける“ビルマニア”の、衝撃波のような威力! 「球根はね、いつかきっと綺麗な花が咲くと信じています! 辛いことがあってもね、みなさんもぜひ綺麗に咲いてください!」というメッセージとともに、彼が高らかに歌った最後の曲は“FLOWER”だった。苦悩も葛藤も抱き締めて華麗に花開かせるような彼の歌声が、やわらかなメロディとなってひたちなかの夜空に広がって……終了。最高の歌が、最高のロックンロールが今、この場所に確かにあった。(高橋智樹)
吉井和哉のROCK IN JAPAN FESTIVALクイックレポートアーカイブ
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