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本番スタート前から、サウンドチェックで“SI・GE・KI”を4人でガッツリ演奏し、ステージに詰め掛けたオーディエンスを沸かせていたZAZEN BOYS。「マツリスタジオからマツリセッションを、ぺっぷきりあがってやってまいりました、ZAZEN BOYSです」という向井(Vo・G・Key)の口上から、“MABOROSHI IN MY BLOOD”でライヴをスタートする。向井の歌声に絡み合う、硬質なビートと鋭角なギターサウンド。それでいて、どこかしなやかさや瑞々しさを感じさせるのがZAZEN BOYSのサウンドである。
“IKASAMA LOVE”では、吉兼聡(G)、吉田一郎(B)、松下敦(Dr)の3人が延々同じフレーズをプレイする中、向井一人がフィールドを挑発的に眺めながらビールをグビ呑みし、まるで時間を止めたようなパフォーマンスを見せる。これにはオーディエンスも爆笑&大歓声だ。彼らの壮絶なるバンドアンサンブルは常に聴き手に緊張感と高揚感をもたらすが、同時にユーモアあふれるプレイで和ませてもくれる。向井の指揮の下、吉兼、吉田、松下がチャルメラ音階をプレイするだけで、オーディエンスは爆笑し、興奮してしまうのだ。まるで音楽の自由さや楽しさ、可能性を教えてくれるようなパフォーマンスに、SOUND OF FORESTが熱い歓声で包まれる。
巨大なハンドクラップで迎えられた“Weekend”に続き、「どこぞの方から聴こえてくるビート、そう、“COLD BEAT”!」との向井の一言から“COLD BEAT”になだれ込むと、フィールドの熱狂は最高潮に。さらに、“Asobi”の濃厚なグルーヴでオーディエンスを包み込み、ライヴは大団円。涼しい顔をしながら、興奮、爆笑、熱狂のすべてをSOUND OF FORESTに降り注いでくれたZAZEN BOYS。4人が深々と頭を下げライヴを終えると、フィールドからはいつまでも温かい拍手と歓声が贈られた。ZAZEN BOYSに対するオーディエンスの絶大な信頼感を、より強固なものにするライヴ・パフォーマンスだった。(大山貴弘)