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あっという間に夕刻に近付いてきた。ネクスト・アクトはBIGMAMA! サウンドチェックで起こった拍手に、小さな声で「ありがとう」と言う金井(Vo・G)。期待が高まったところで、拍手の中、改めて金井が一人きりでSEもなく現れる。「???」とクエスチョンマークがオーディエンスの頭上を舞っているのも気にせず、金井がギターも持たずに歌いだしたのは“I Don't Need a Time Machine”のアカペラ・ヴァージョン! その後ろをすっと歩いて登場した柿沼(G・Vo)が、同じくギターを持たずにコーラスで加わっていく。美しいハーモニーが響く中、他のメンバーが登場し、いつものバンドスタイルになって“荒狂曲「シンセカイ」”へと雪崩れ込む―――意表を突く、美しいオープニング! ちなみにこの演出、初披露だったのだ。観られたオーディエンスは本当に幸運だったと思う(私も)! さらに、“the cookie crumbles”では、東出(Vio)の艶やかなヴァイオリンの音色と、金井の切ない歌声が絡み合って、BIGMAMA濃度はますます上昇。続く金井の「自分たちの全てをこの30分に凝縮してみせます!」というMCで、今日のライヴの真意を知る。どんどん暗くなる中、“Paper-craft”“かくれんぼ”と続き、金井が「嘘みたいにめちゃめちゃ楽しいです。ありがとうございます。呼ばれるかわからないけど、来年も会いましょう!」と言って、最新シングルから“秘密”がスタート……と思ったら、後方にたくさんのチアガールや、赤い傘を持った白いドレスの女性ダンサーが登場! オープニングのみならず、またサプライズがあるとは、全く油断できないバンドだよ! ラストナンバーは“計算高いシンデレラ”。金井が耳に手を当て、東出が弓で指揮をすると、美しいシンガロングが広がっていく。短い時間の中で、琴線を震わせるドラマが、見事に作られていた。最後、ステージを降りる時にリアド(Dr)が「ありがとう」と言っていたけれど、こちらこそありがとう、BIGMAMA。(高橋美穂)