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すっかり晴れ渡った空の下、GRASS STAGEをギッチリと埋め尽くす大観衆! 誰からともなく一斉に頭上で手を打ち鳴らしつつ彼らが迎え撃つのは、ROCK IN JAPAN FES. 4年連続出場のPerfumeだ! けたたましいエレクトロ・サウンドとうねるダンス・ビートが鳴り響き、地鳴りのような歓声の中にあ~ちゃん、かしゆか、のっちの3人がステージ袖から飛び出してくる。赤、黄、ピンクと目に鮮やかな原色のモザイク模様に彩られた衣装に身を包み、まず披露されるのは“FAKE IT”だ。円軌道を描くように滑らかでありながら、楽曲のグルーヴをがっちりと捕まえたダンスで視線を釘付けにしてしまう。続けて畳み掛けるように放たれるのは、ビシッビシッと直線的な振り付けを見せつける最新シングル曲“レーザービーム”。間を置かずに“ワンルーム・ディスコ”だとう!? 序盤から狂騒の坩堝と化す、広大な緑のフィールドである。無理もない。あ~ちゃんが曲間で昂ぶって放つ「アアーッ!!」という甲高いシャウトが、まるで皮膚を震わせるかのようだ。 そしてようやくと言うべきか、お馴染みの自己紹介&「Perfumeです!」の挨拶。あ~ちゃんが「いやー、もうPerfume、夏しに来ました! (ROCK IN)JAPANはね、ホームですから!」と愛情に満ちた言葉を投げかけると、のっちは「今日のセット・リストはね、通称、人呼んで、デス・リストですから! みんなブッ壊れたいでしょ?」と挑発的な素振りでオーディエンスの火に油を注ぐ。この後には、横ノリでがっつりと揺らす“ナチュラルに恋して”。かと思えば細やかな振りのダンスで一層の加速を見せる“パーフェクトスター・パーフェクトスタイル”、“VOICE”と、まさに有言実行の悶絶セットを浴びせかけてゆく。鳴り響くビートの中であ~ちゃんがユニークなコールを乱発し、そこにオーディエンスが喰らいつくようにレスポンスして天井知らずに高揚してゆく「PTAのコーナー」を経た後は、声を掛けるようなキュートな仕草がダンスに盛り込まれた“ねぇ”。ラスト・スパートは21世紀型ガールズ・ポップ至高の逸品“チョコレイト・ディスコ”からの、世界に誇るロボット・ダンス“ポリリズム”だ! 唖然。本当になんという破壊力のセット・リストだろう。「みんな本当にあったかい。ありがとうございました!」と息を切らしながら最後に感謝の思いを告げるあ~ちゃんだったが、それは確かに、Perfumeのポップ・マジックが生み出した光景なのだ。(小池宏和)