メニュー

曽我部恵一(Vo・G)がメンバーたちとアイコンタクトを交わして始まった1曲目は"baby blue"。イントロがあふれ出した瞬間、「おお~!」という吐息を漏らさずにはいられなかった。あの場にいた人はみんなそうだったのではないか? 何しろサニーデイ・サービスが、ロック・イン・ジャパンに立つのは、これが初めてなのだ。その記念すべき瞬間を飾ったのが"baby blue"。この瞬間を待ちわびていたお客さんたちは、半ば夢見心地なうっとりした表情で聴き入っていた。丸山晴茂(Dr)は、残念ながら現在体調不良のため、今回は出演できなかったが、曽我部の隣では田中貴(B)がプレイしているのも嬉しい! とにかく、届けられる音、聴かせてくれる曲、目に飛び込んでくる光景など、あらゆることが特別過ぎるステージであった。
"スロウライダー""NOW"……という往年の曲と同じように、今年4月にリリースされた最新アルバムの曲"恋人たち"や"ふたつのハート"も、新たな名曲となっていることをじっくり体感させられる。それらの曲の柔らかなメロディが胸に深く沁み込んで来る快感を味わって後半戦へ。「ロック・イン・ジャパンに初めて立てて、みんなと音楽を分かち合えて最高です。今日の天気に捧げます」と曽我部が紹介してスタートしたのは、これもサニーデイを語る上で欠かせない"恋におちたら"。さらには"サマー・ソルジャー"。毎年この時期になるとふと聴きたくなる"サマー・ソルジャー"をこうして生で聴けるとは!

「最後まで楽しんでください!」と曽我部が挨拶し、バンド・メンバーを紹介して始まったラスト・チューンは"さよなら!街の恋人たち"。狂おしいメロディが後半で一気に高まってゆくのが圧巻! この熱気に誘われて、シンガロングしながら身体を揺らすお客さんたちは、本当に幸せそうだった。(田中大)