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RIJF2010、初日のSOUND OF FORESTのトリを飾るのはcapsule。今日のアクトは普段あまり見られないLIVE SETでの出演だ。夕闇迫る超満員のSOUND OF FORESTに、突然中田ヤスタカによる、どこまでも奥行きを感じさせる“more more more”のトラックがスタートし、当フェスのオフィシャルグッズの「ROCK」フレームのサングラスをかけたこしじまとしこが登場する。ステージのライトもフル稼働で、これはサウンドとヴィジュアルを共に駆使してのパフォーマンスを得意とするcapsuleのステージには欠かせない要素だ。3曲目の“FLASH BACK”以降、ステージからオーディエンスに向けて放射状の光が放たれ、さらにSOUND OF FORESTはヒートアップ。はじめはいわゆる「ロックのノリ」のオーディエンスが多かったのだが、この辺りからだんだんいわゆる「クラブのノリ」になっていく。中田ヤスタカによって計算され尽くされたキュートで無機質なダンス・チューン、そのポップネスが会場を完全に掌握した証だ。そして、ライブは後半になって大きな変化を見せる。5曲目の獰猛な攻撃的エレクトロ・ハウス“PLAYER”では、ステージに無機質な男のダンサー4人が登場し、手に持った電動のヤスリのようなものを手足につけた金属にこすりつけて火花を発生させるパフォーマンスがオーディエンスの度肝を抜き、会場のテンションはものすごいことになっていく。続くキラー・チューン“JUMPER”では、先ほどのダンサーが今度は立方体の形をした被り物を被り再登場して、楽曲の無機的なイメージを増幅させていた。この楽曲の終わりで彼らは被り物をとって素顔を見せるパフォーマンスをしていたが、これは、表面的には無機的に見えるものも、その裏には血の通った有機的な部分も存在しているという、その整ったイメージに反して意外とエモーショナルな一面を持つ中田ヤスタカらしい演出なのではないだろうか。そしてラストは“Sugarless GiRL”の圧倒的ポップネスを見せ付けて、アンコール無し、全7曲の完璧に計算されつくしたcapsuleのライブが初日のSOUND OF FORESTを鮮やかに締めくくった。(前島耕)