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21世紀日本の鮮烈なるロックの奇跡=RADWIMPS、3年ぶりのROCK IN JAPAN帰還!……というよりは、ひと回りもふた回りもそれ以上も大きなスケール感を獲得した彼らがついにGRASS STAGEに立つ! という感慨と戦慄のほうがはるかに大きい。夕闇迫るフィールドに広がっているのはそんな独特の緊迫感だ。SEもなく、まずは野田洋次郎だけがオン・ステージ、右手で高々とガッツポーズ。広大なフィールドから湧き上がる声、声、声! 1人でギターを構えて歌い始めたのは――なんとオアシスの"Don't Look Back In Anger"! そこに桑原、武田、山口が加わり、ドラムのフィルに至るまでほぼ完コピに近い演奏を繰り広げる。しみじみと広がる拍手……を切り裂くように鳴り響く鋭利なギター・フレーズと野田のシャウト! おしゃかしゃま"! ポスト・パンクとファンクとグランジがデッドヒートを繰り広げながら狂気の底へ堕ちていくようなスリリングなプレイに、RADWIMPSの登場を待ちかねた5万人のオーディエンスが渾身のジャンプで応える! 文字通りGRASS STAGE激震! 「ヤバイ! 最高に気持ちいい!」という野田のMCに沸き上がる大歓声をそのまま"05410-(ん)"の合唱へと導いていく。

「こんばんは! RADWIMPSです! 後ろのほうにも届いてますかみなさん! すべての人に向けて歌っちゃおうかと思ってるよ!」という野田の軽快なMC。そして最新シングル曲"携帯電話"へ。カントリー風のサウンドに乗せてケータイ時代の愛と悲哀を歌うこの曲が、すでに「みんなのうた」になっていることが、GRASS STAGEに集まったオーディエンスの熱気からも十二分に伝わってくる。そこから一転"トレモロ"でヒートアップ! "ハイパーベンチレイション"の幾何学サウンドとタフなビートが炸裂! さらに"なんちって""いいんですか?"で5万人を完全掌握する4人。「あと2曲です!」の野田の声に、一斉に広がる「えー!?」の落胆の声。しかし、「世の中ほんとロクでもなくて、でもそれに輪をかけて自分もロクでもなくて。ほんとはこの世界はロクでもないやつばっかりが放り込まれたゴミ箱みたいなところじゃないかと思って……そんな歌を、次のアルバムに入れたので、ぜひ聴いてください!」という「これから」への予告MCに、GRASS STAGEは一気に期待感で包まれていく。遺伝子越しのラブソング="25コ目の染色体"。5万人のエモーションを乗せたラスト"ます。"でのロックンロール大爆走……アーティストとしてもパフォーマーとしても圧巻の「今」を提示した、壮絶なステージだった。(高橋智樹)