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さあ始まったROCK IN JAPAN FES.2010! この初日、SOUND OF FORESTのトップ・バッターはRHYMESTERだ。木々に囲まれたステージに朝一番から集まったオーディエンスに対し、宇多丸とMummy-Dが「戻ってきたぜー!」と威勢よく挨拶する。極太なイントロのブレイクスが鳴り響き、待望のオープニング・チューンはこの曲“ONCE AGAIN”だ! 活動再開後のライムスのテーマ曲と言っても良いだろう、エモーショナルなナンバー。印象的なフックに合わせて、オーディエンスたちが掲げる人差し指が舞う。そして定番、宇多さんとDさんがそれぞれクリスピーな高速ラップで自己紹介する。DJ JINによるオールドスクール・マナーなブレイクビーツもここで鳴り響いていた。

“付和Ride On”のバウンシーなトラックで、今度はオーディエンスをタテに弾けさせる。暑い暑い。「一発目がベスト・アクトでごめんね」と宇多さんは笑いを巻き起こしてはいるが、どこまでが冗談なんだか分からない話である。さて、ガンガン上げたところでここで一端クール・ダウン。というか、宇多さんとDさんによるグダグダなトーク・タイムが始まってしまった。「最近の社会問題としてはね、高齢者の孤独死とか」「ここに100歳以上の人ってどれぐらいいますか? はい、ウソをつけーい!」とか言っている。まったく、アガる時と緩む時の差がありすぎる。

ここで緩みついでにというか、ジャジーでメロウなナンバー“ちょうどいい”が披露された。そのサウンドと柔らかなグルーヴとともに、木々の間をすり抜けてくる風が気持ちいい。いや、ちょうどいい! そして「いつもなら“ラストヴァース”って曲で終わるんですけど、今日はみんな始まったばっかりじゃん! だからこの曲をやって終わりにします」と前置きして“K.U.F.U.”になだれ込んでいった。高速でベース・ラインがうねってゆく力強いファンク・チューン。宇多さんとDさんのライミングもますます熱を巻いていった。オーディエンスはここでもタテに波打っている。色とりどりの帽子やタオルが綺麗だ。短い時間ではあったけれど、バラエティ豊かなビートと最高のラップ・スキルで、今年のSOUND OF FORESTをスタートしてくれた。ありがとう、RHYMESTER。(小池宏和)