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『JAPAN JAM 2014』の2日目は、3日間の日程で最も多く洋楽アーティストが出演するラインナップ(5組中3組)であり、しかもそのすべてがUKバンド。3番手には、現在はイースト・ロンドンを拠点に置く4人組、テレグラムが登場だ。2月には、先のチャイルドフッドとの2マンも行ったらしい。メンバーが位置につくと、レザージャケットをタイトに着こなしたマット・ソーンダース(Vo・G)が両腕を掲げながら「コニチワ~ワ~ワ~ワ~」と陽気に挨拶。見るからに男の色気に満ち溢れたワイルドな風貌の4人が、鮮烈にしてノイズにまみれることも厭わない“Rule Number One”から熱いスタート・ダッシュを繰り広げてみせるのだった。続いて“It Ain’t Easy”でオリ・パジェット・ムーン(B)は激しく髪を振り乱しつつプレイし、マット・ウッド(G)は勢い任せに高くジャンプしてはギターを弾き倒す。ある程度期待はしていたものの、実際に目の当たりにしてみると想像以上に思い切りの良いロックンロール野郎どもだ。





ジョーダン・クック(Dr)が突き刺さるようなビートを刻む中、雄々しいコーラスと轟音サイケ・サウンドを練り上げるのは“AEONS”。挨拶もフレンドリーかつシンプルに済ませ、とにかくロックするんだ、とばかりにオリが曲紹介し“Jigsaw”へと傾れ込んでいった。昂った高速リフで転がる“Needles In the Camel’s Eye”(ブライアン・イーノ曲のカバー)は、そのオリがリード・ヴォーカルを務め、生々しいエネルギーとバンドのオリジナリティを共存させながら弾ける“Inside/Outside”、更にはパンキッシュな“Regatta”と、まったく熱量を落とさずにパフォーマンスを続けてゆくさまが素晴らしい。「あと2曲やるよ」と切り出されたのは、昨年11月にリリースされたテレグラムのデビュー・シングル“Follow”だ。そう、彼らもまたアルバム・デビュー前の若いバンドでありながら、ダイレクトに衝動を伝えるパフォーマンスで、フロアのオーディエンスを波打たせてしまっている。歪んだフレーズが思うさま吹き荒れる“Folly”まで、目を放す隙すら与えないステージであった。こんなにカッコいいロックンロール・バンドなら、いつだって大歓迎だ。(小池宏和)



3日間の熱演を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!