佐野元春 & THE COYOTE BAND

年の瀬に浮かんだブラッド・ムーン

短くカットした髪型と同じぐらいにフレッシュで、キラキラと力強くきらめくロックサウンドの“優しい闇”からパフォーマンスをスタートさせた佐野元春。深沼元昭(G)、藤田顕(G)、高桑圭(B)、渡辺シュンスケ(Key)、spamこと大井洋輔(Per/Mani)、小松シゲル(Dr)という顔ぶれのTHE COYOTE BANDとともに、柔らかく温かなキーボードサウンドの中から伝うのは愛の前進姿勢“La Vita è Bella”。自身もギターを携えると、今度はMOON STAGEに浮かぶ“紅い月”へと向かう。硬派でありながら奥行きのあるサウンドとメッセージが、誤差なしに胸元へと飛び込んでくるようだ。

「どうもありがとう。THE COYOTE BAND!」とあらためて感謝と紹介の言葉を伝え、玄妙なアコギのフレーズを絡ませながら広がるのは、目下の最新アルバム『BLOOD MOON』を締めくくるナンバーでもある“東京スカイライン”。そして、「みんな知ってる? 『ROCKIN'ON JAPAN』っていう雑誌の話をしてもいいかな」と、1985年の創刊時のことに言及する。いろんな感謝の思いを込めて、と届けられたのは、今も立つ旅の途上“空港待合室”である。

「もう年末。みんな景気良くいこう! 物事に終わりがあれば、必ず始まりがある。僕で言えば、こんな感じ?」と最後に華々しく繰り出されたのは、1980年のデビュー曲“アンジェリーナ”だ。オーディエンスを無条件に踊らせ歌わせ、ギターを抱えたまま膝から滑り込むフィニッシュまで、完璧。潜り抜けてきた季節と、これからの思いを込めた全6曲。限られた時間ではあるけれど、その質量は半端なものではなかった。(小池宏和)

「ROCKIN'ON JAPAN3月号」(1/30発売)の付録は、このフェスのすべてを詰め込んだ特別別冊。全アクトのセットリスト、ライブ写真を完全網羅!

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