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MOON STAGE15:30

聴き手と真摯に向き合う3ピース、高らかに希望を鳴らす

3日目のMOON STAGE、5番目に登場したシナリオアートは「シナリオアートの世界へようこそ。COUNTDOWN JAPAN、最後まで楽しんでいきましょう!」と、ハヤシコウスケ(Guitar / Vocal / Programming)の言葉を合図にスタート。“スペイシー”“ハロウシンパシー”と続くなか、ヤマシタタカヒサ(Bass / Chorus)は拳を突き上げてフロアを煽る。温かみと力強さが共存するハヤシの歌声と、まっすぐに突き抜ける閃光のようなハットリクミコ(Drum / Vocal)の歌声。ツインヴォーカルが生み出すその世界を彩るように鳴らされる、たった3人で生み出しているとは到底思えないほどスケールの大きなサウンド。「人は誰しも孤独である」という前提からも目をそらさずに、聴き手一人ひとりに寄り添い、希望へと続く道筋を照らす音楽。オーディエンスはその心を震わせながら、握りしめた拳を高く高く掲げる。

ドラムセットの椅子の上に立ち「すごい人ですよ~!」と興奮をそのまま言葉にするハットリ。来年2~3月に行う東名阪対バンライヴの告知を挟みながら「はい、今手挙げた人、全員来る~」とオーディエンスを指して笑ってみせる。そして「数あるステージの中からシナリオアートの時間を選んでくれてありがとう。絶対後悔させない、ここを選んでよかったというライヴを心をこめて届けます」と改めてこの場に集まったオーディエンスへの感謝を伝えたのだった。

「いつでも自分を信じて生きていってほしい」というハヤシの言葉に続けて演奏されたののは“ナナヒツジ”。3人一丸となって奏でるトリッキーなリズムのイントロ、ハヤシ&ハットリによるユニゾンの歌い出し、「当たり前を疑え!」というハヤシの叫び――高速で点滅を繰り返す照明も曲の持つスリルを引き立てるなか、音・言葉の一つひとつが剥き出しの感情で届けられていく。そして《君は大丈夫 きっと大丈夫/いつもそう 言ってあげるよ》というフレーズの下、多幸感で満ちた“ワンダーボックスⅡ”へ。「僕たちは愛をくれるみんなのために精一杯、どんなときでも力になれるような、ふとみんなのことをそっと救ってくれるような、そんな音楽を作っていきます」――最後に届けられたハヤシの言葉をそのまま体現したような、真摯で誠実なステージ。心の底から拍手を送りたい。(蜂須賀ちなみ)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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シナリオアート

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