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COSMO STAGE19:00

一対一で「あなた」と向き合う誠意の音楽

COUNTDOWN JAPAN 15/16、3日目ももう終盤。COSMO STAGEには本日のトリを務めるSUPER BEAVERが登場だ。所属レーベル[NOiD]のタオルを掲げながら現れたメンバーは、まずドラムセットの周りに集まって4人が手を重ねる。そして渋谷龍太(Vocal.)は「本日COUNTDOWN JAPANに出てるバンドがすべてではない。今も地下に潜って忙しくしているバンドマンもいる。俺は今日その気持ちを胸に歌おうかなと思ってます」と語り始めた。自分たちの原点でありホームでもある場所、それから大切な同志に対する愛情を忘れないのがSUPER BEAVERの流儀であり、誠意でもある。

冒頭で演奏されたのは“361°”。紆余曲折を経て原点へ立ち返り、さらに新たな一歩を踏み出したこのバンドのことを歌った曲だ。今年結成10周年を迎えた自身の歩みを体現するかのように、丁寧で、同時にしっかりと熱が詰まった演奏。金髪を大きく振り乱しながらその感情を楽器に落とし込んでいく柳沢亮太(Guitar.)。大きく歌詞を口ずさみながらビートを刻む藤原”27才”広明(Drums.)。今抱いている想いを全部吐き出すかのように、時折マイクに向かって絶叫する上杉研太(Bass.)。「思いの丈、全部置いて帰れ!」という渋谷の叫びに呼応して、フロアからは「♪おーおーおー」と力強い歌声が聞こえてきた。そして中盤で披露されたのは、3ヶ月連続シングルの第2弾として来年2月にリリースされるという新曲だ。4人が一斉に歌い上げる冒頭からオーディエンスの心を直掴みした同曲のタイトルは“うるさい”。ビーバーが「愛」を歌い続けてきた理由が凝縮された曲だった。

「年の瀬の忙しい時期に音楽が大好きで仕方なくて集まってるアンタらの前で歌えるのが嬉しいよ」と飾り気のない言葉でオーディエンスへ感謝を伝える渋谷。そんなMCのあとに演奏されたのは“証明”である。「あなたが見たもの、あなたが聞いたもの、あなたが感じたもの、それを声に出して俺に伝えてくれ!」と渋谷が叫ぶと、まるでこの場にいるひとりひとりが生活をするなかで溜まった感情の塊をドサッと吐き出すみたいに、切実で、どこか泣きそうで、だけどとびきりの歓喜に満ちた歌声で満たされるCOSMO STAGE。こんなシンガロングを巻き起こせるバンドはビーバーぐらいしか知らない、と改めて思う。「人間力」の賜物みたいな名場面だった。

人と人とが真正面からぶつかり合うような、それに伴ってまた新たな感情が芽生えていくような場面が続いたここまで。セットリストのラストを飾ったのは“ありがとう”。息を切らしながら、間奏でもたくさんの言葉を詰め込んでいた渋谷は、「大切な時間をどうもありがとう」という言葉を残してステージをあとにする。4人が去ったあとの会場には温かな拍手が響きわたった。(蜂須賀ちなみ)

この4日間のすべてを詰め込んだ別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 各アクトのセットリスト、厳選ライヴ写真を掲載した永久保存版の一冊!

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SUPER BEAVER

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