SEは高倉健の“網走番外地”だった。今年亡くなった昭和の大スターを偲び、中田裕二は開口一番、「昭和のダンディに捧げます」と告げる。ドラマチックなピアノと渋いウッドベースが要となる“薄紅”からライブはスタート。アコースティックなサウンドに妖艶な大人の色気が漂う。サポートバンドはカトウタロウ(G)、真船勝博(B)、白根賢一(Dr)、奥野真哉(Key)というお馴染みの手練のメンバー。ドラムのカウントから始まった“誘惑”では、その盤石のグルーヴに身を委ねる会場は、ゆったりと横に揺れて聴き入っていた。

MCでは、「こんばんは、中田裕二です。今日もたくさんの方が出ていますが、大人のAORが聴けるのはこのステージだけです。じゃ、飛ばしていかないぞー!(笑)」と、ズッコケたくなるような気合い入れ方をすると、「よく女の人が喫茶店とかでしゃべってるときに、うん…うん、わかる。って言いながら、こう髪をくるくる巻くじゃないですか。それを見て妄想を爆発させる男の歌です」と、“髪を指で巻く女”。真っ赤に染まったステージに立ち、マイクを口元に抱え込んで「アァーッ!!」と欲望をぶちまけるシャウトは最高にかっこよかった。

「次は浅野温子が出てくるトレンディドラマにぴったりの曲やります」と、“LOVERS SECRET”では、Fu~Fu~とスキャットしながら、クラップを煽る。「え~、ちょっとまだ全然昼間なんですけど、夜に向かって飛んでいきましょう、という歌です。みんなで踊って楽しんでください!」と繰り広げた“MIDNIGHT FLYER”。それは、大人の男たちが主催する魅惑のパーティタイム。そして左右に大きく腕を振るお客さんに包まれて最高のフィナーレ……と思いきや、一度演奏を終わったように見せかけて、中田の合図でもう一度ジャーン!と仕切り直して演奏が終了。最後は少年のような爽やかな笑顔を見せながら、中田裕二は去っていった。(秦理絵)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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