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COUNTDOWN JAPAN 13/14 公式サイト
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「COUNTDOWN JAPAN 13/14」3日目もいよいよ大詰めを迎えたEARTH STAGEには、4年連続EARTH STAGE出演となるサカナクションが登場! 巨大なステージに勇壮なビートが鳴り渡り、山口一郎(Vo)/岩寺基晴(G)/草刈愛美(B)/岡崎英美(Key)/江島啓一(Dr)の5人がゆっくりと姿を現すと、後方までぎっしり埋め尽くされた幕張メッセのフロアから大歓声が湧き上がる! ステージ前列に並んだPCを操りながらのクラブ・スタイルの“ミュージック”のソリッドなビートと至上のメロディが、オーディエンスの心を震わせ、一面に拳を突き上がらせ、広大な会場をでっかく揺さぶっていく。曲の途中で舞台が暗転、5人がバンド・スタイルにチェンジした瞬間、観客のハイジャンプと歌声はさらに熱を帯び、ハンドウェーブとともにそのシンガロングは地鳴りのような迫力をもって広がっていく。どこまでも真摯に、揺るぎなく音楽の核心を見つめ続け、クラブ・ミュージックとロックを高次元で融合させたサカナクション。その音楽的探究の足跡が、ひとつひとつの楽曲を通して、数多のオーディエンスに共有され、讃えられてきている――ということを、1曲1曲と熱量と歓喜を増していくEARTH STAGEの光景が何よりリアルに物語っていた。“アルクアラウンド”のイントロが鳴り渡った瞬間にうわああっと感極まったような歓声が広がり、抑えきれない情熱そのもののような大合唱が噴き上がっていく。

再びクラブ・スタイルで繰り広げられた中盤では、あたり一面にレーザーの光の粒子がブリザードのように舞い踊り、無数の光線と「sakanaction」「COUNTDOWN JAPAN 13/14」の文字が浮かび上がり、暗闇を彩っていく。夏「ROCK IN JAPAN FES.」では野外の会場を舞台に光と音の壮大なマジックを描き出してみせたサカナクションだが、幕張メッセの広大な空間を「クラブ・ミュージックの巨大な密室」として震撼させていく風景のスケール感は、やはりサカナクションだからこそ描き出せるものだ。最新アルバム『sakanaction』リリース後、「6.1chサラウンド」を駆使した幕張&大阪公演を含むツアーで、最先鋭のアートとして何万人もの心を同時に震わせるポップ・ミュージックとしての訴求力をダイナミックに提示していたサカナクション。新たなトライアルを経て、格段にパワフルさを増した5人の音楽表現が、オーディエンスのこの上ない多幸感とともに、EARTH STAGEに満ちあふれていた。

壮麗なコーラスの響きとアグレッシヴなビートで目も眩むような加速感と高揚感を生み出してみせた“Aoi”で、さらに大きくフロアを躍動させた後、「2013年、みなさんどんな1年でしたか?」と満場のオーディエンスに語りかける山口。「サカナクションにとってはですね。挑戦の1年でした。苦手なテレビにチャレンジしたり(笑)。音楽って何だとか、バンドって何だとか、ロックって何だとか、青臭いくらいに考えた1年でした。その結果、手に入れたものと失ったものがあったんですけど……それでもいいかなと」。そんな言葉に、さっきまで熱狂の真っ只中にいた観客がじっと聞き入っている。「2014年は、いろいろなものを手に入れて、またいろいろなものを失って、それでも、実体のない、目では見えない、音楽というものを、探し続けるんじゃないかなと思います。そんな気持ちで、2013年最後に作った曲を、最後に聴いてもらいたいと思います」。熱い拍手が広がる。「本年は、誠にお世話になりました。2014年も、よろしくお願いします。サカナクションでした!」という挨拶とともに披露したのは、来年1月リリースの両A面シングル『グッドバイ/ユリイカ』から“グッドバイ”。澄み切ったサウンドのひとつひとつと、山口の熱唱が、ゆったりしたリズムの中でせめぎ合う――狂おしいほどに美しい音像が、いつまでも胸に残った。さあ、EARTH STAGEは3日目フィナーレへ!(高橋智樹)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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公式スマートフォンアプリ登場 COUNTDOWN JAPAN 13/14

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