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POLYSICSが残したカラフルな余韻を鈍色のロック・サウンドで瞬時に塗り替えてしまったのは、DOES! 重たいビートのSEとハンドクラップに迎えられて、この間の赤坂BLITZの5周年イベントの時と同じく、スーツ姿で登場したDOESの3人+サポート・ギターのオサム(ファズピックス)。いきなり殺傷力抜群の“曇天”を叩きつけ、GALAXY STAGEを壮絶な狂騒空間へと引きずり込んでいく。続く“ロッカ・ホリデイ”では、オーディエンスの衝動を底から突き上げるエッジの立った轟音が炸裂。「ウェルカム、DOESです。飯食ったか? うちらのことも腹いっぱい食ってくれよ」(ワタル・G&Vo)と放たれた“ユリイカ”では、ミドル・テンポのダンス・ビートがフロアを大きく揺らしていく。さらに解放感たっぷりの“天国ジャム”、分厚いグルーヴが波打つ“イーグルマン”、アヴァンギャルドな曲展開が軽やかな興奮を生む“神様と悪魔と僕”と、ヴァリエーションに富んだ楽曲でタイトなアンサンブルに豊かな色彩を添えていく4人。そこからギャイーン!というギター・ストロークとダイナミックなドラミングが轟いた不穏なブレイクを経て、“ジャック・ナイフ”で再び暴風雨の只中へと飛び込んでいく展開は、たまらなくスリリングだった。「最高だね、君たち。愛を感じます。愛を叫ぼうよ」 という呼びかけから大シンガロングが発生した“タイニー・パンク”でオーディエンスとの一体感を確たるものにした後は、「グチャグチャになろうぜ!」と怒涛のクライマックスへ! “修羅”“バクチ・ダンサー”のソリッドな音塊が、GALAXY STAGEのすべてを燃やし尽くすかのように荒れ狂う! そして「最後に新曲聴いてよ。3月あたりにシングルになると思うけん、要チェック」とラストを飾ったのは、“今を生きる”。これまでの狂乱を鎮めるかのような、シンプルなリズムとシンプルな言葉で構成されるこの曲で、40分のアクトをしっとりと締め括った。削ぎ落とされたバンド・サウンドの鋭利さと、ここに来てより鮮やかな色彩を帯びはじめた楽曲世界の豊かさを同時に感じさせてくれた、充実のアクト。来年もDOESから目が離せない!(齋藤美穂)