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2日目EARTH STAGE、トリを飾るのはKREVA。暗転して響き渡ったビートに吸い寄せられるように、集まってくる人、人、人。するとKREVAが、ゆったりとステージの中央に歩んできた。そして、暫しサングラス越しにオーディエンスを見据えると、“基準”がスタート。まるで機関銃のように激しく速いラップに、興奮を忘れて圧倒させられてしまう。KREVA「Dr!」、オーディエンス「K!」というコール&レスポンスも、見事にキマっていた。さらに、“成功”を歌い終えたKREVAが、スポットライトに照らされて遂にサングラスを外すと歓声が! そんなハートをさらに惹き付ける、メロウな“瞬間speechless”、眩しい光でフロアが照らされ、シンガロングも起こった“スタート”と畳み掛けていく。MCこそないが、そのリリックや動きから、MCよりもダイレクトにメッセージが伝わってくるようだ。
年末には必須な“国民的行事”も、もちろん登場。《やるぞ やるぞ やるぞ》という決意と共に多くの手が挙がり、フロアが一つになっていく。“Have a nice day!”では、イントロで「一回だけ手を振る練習!」。ばっちり、オーディエンスの手は揃っていた。さらに、“C'mon, Let's go”では、トラックを止めて、無音の中でラップを披露。その説得力に、オーディエンスも称賛のハンドクラップを贈る。そして“KILA KILA”で、まさにキラキラで会場を埋め尽くして、本編を終えた。

すぐにアンコールに応えて再登場。ここでやっとMCが入る。「喋るとしたら、3月11日のことは避けて通れないと思います。みんないろんな行動をしたと思うけれど、俺もチャリティソングに参加しました。ずいぶん遅くないかって言われるかもしれないけれど、情報が風化するのが怖いので」と楽曲を紹介し、12月14日に発売されたばかりの、“H♡PE”へ。曲を終えると、「2012年、一人でも多くの人に笑顔が訪れますように。今日はどうもありがとうございました」と告げ、最後は3月に配信し、収益を継続的に寄付している“EGAO”を祈るように歌い、今日のEARTH STAGEを締め括った。
今年トリを務める上で背負った責任感と、今の自分自身の正直な表現を溶け合わせたような、徹頭徹尾シリアスなパフォーマンスだった。なお、最初から最後まで、ステージ上にいたのは、なんと、KREVAとおなじみ熊井吾郎のふたりだけ。DJ SHUHOもサポートMCもいない、という意味で、とてもストイックなステージでもあった。(高橋美穂)