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 DJ HIRORONがトラックを鳴らすステージに「調子はどうだ?……聴こえねえよ!」という声だけがオーディエンスを煽るように響く。そして「そろそろ行こうか!」のコールとともに、MCUが、LITTLEがオン・ステージ! まずは“Hello Section”の速射砲のようなライムでASTRO ARENAとギアを合わせると、「ヒップホップ・ウィル・ネヴァー・ダイ! いつまでも夢の中で追っかけてこうぜ!」というLITTLEのコールから“夢の中へ”。ゆったりとたゆたうようなトラックに合わせ、ひたすら真摯に言葉を紡ぐMCUとLITTLE。
「俺たちがULだよろしく!」と呼びかけ、DJ HIRORONのサンプラーさばきでひとしきりフロアを沸かせてみせた後、「2011年、忘れられない出来事がありました!」と語るMCU。「いや、決して忘れちゃいけない出来事がありました! こんな時だからこそ抱き締めあって、みんなで寄り添えればいいなと思います」と歌い上げた“寄り添う”。3.11の後、自らにできること/音楽にできることを模索し、新たなフォーマットでの活動へと踏み出した盟友同士。そんな彼らの揺るぎない意志が、目映いトラックの中で高純度の真心のカタマリのようなライムとなって、ASTRO ARENAを照射している。グルーヴィーなライムが、言葉の1つ1つが、この国の「今」と「明日」へ力強いヴァイブを放っていく。
 「いろんなところから来てる人がいると思うけど、この会場、このステージが俺らのホームタウン!」(MCU)という言葉とともに披露した“HOME TOWN”。「音源も出てねえし、ライブも夏1回やったぐらいだから、曲知らないでしょ? 知らないのに、よくいい感じで踊るよね?……あざーっす!」とMCU。「来年もよろしくお願いします。良いお年を! 来年もいい年にしましょう!」とLITTLE。ULで唯一配信で発表された楽曲“By blow bye bye blow”で、彼らのステージは幕を閉じた。2人+1人がステージから去った後も、MCU&LITTLEの想いが凛とした響きとなって、いつまでも胸に残った。(高橋智樹)