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ツイン・ドラムが大振りなビートを繰り出す中にオーディエンスのハンド・クラップが重なり、フリンジ状のショールを頭上に広げたCharaを迎え入れる。「イエエェー!! みんな元気? huhー!!」と何かが弾けるような第一声。挨拶代わりとばかりに差し出されるのはなんと、いきなりの名曲“やさしい気持ち”だ。デビュー20周年の彼女を迎えるGALAXY STAGEに、歓喜の輪が広がってゆく。ときに愛くるしいウィスパー・ヴォーカルを、ときに一瞬で突き抜けるソウルフルなシャウトを――不変のキュートさを誇るCharaと、磨き抜かれたスキルを誇るベテラン・シンガーのCharaがステージ上で同居している。最高だ。続いてカラフルなR&Bチューン“ゆらしたがる”を披露すると、「Charaの歌、初めての人もいるでしょ? いいのよ。感じてくれれば。Charaね、デビュー20周年なの! 今年はアルバム2枚出したんだけど、昔の曲もやります。知らないかもしれないけど、祝ってくれる? 一緒に」というMCから、“あたしなんで抱きしめたいんだろう?”、“DUCA”といった名ポップ・チューンをメドレーで畳み掛けて満場のフロアを弾けさせる。「はあ、はあ、43歳、がんばるわ(笑)。今日、息子に言われたのよ。ママはまだブラジル人になれてないって。意味、分かるわよね。楽しまないとね」と“しましまのバンビ”のキラキラした歌に繋げていった。凄い。更には強い信頼で結びついたバンドと共に“Swallowtail Butterfly ~あいのうた~”までプレイしてくれる。「今年の目標は立ててた? あたしは、怖じ気づかないわ、と思って。聞こえてる? あと、人は優しさを求めて生きてもいいよね、って思って、“才能の杖”という曲を作りました。聴いてください」。アルバム『Dark Candy』のクライマックスを担っていたこの一曲が、目映いまでの気高さを纏ってGALAXY STAGEを包む光景は余りにも美しかった。おなじみの愛すべきChara。愛と知性で明日を照らし出すChara。20周年の最後に、素晴らしいステージをありがとう!(小池宏和)