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真っ暗な会場に凛々しく響く「行け、氣志團ちゃん! 闘え、氣志團ちゃん!……紅白はまだ、諦めてません(笑)」の陰アナ。そして“BE MY BABY”のSEからそのまま“房総スカイライン・ファントム”へ流れ込む! そこへどこからともなく鳴り響く「何が氣志團だ! ちゃんちゃらおかしいぜ!」の声とともにステージに雪崩れ込んだ、「YAMASHITA’S」と名乗る謎の6人衆に、あろうことかステージを丸ごと乗っ取られてしまう氣志團。満場のEARTH STAGEのオーディエンスの間に無数の「?」が広がる中、至極当然といった体でそのまま1曲、2曲と演奏を続ける……が、やがて「最初に出ていた学ラン姿の6人が実は替え玉で、この6人こそが本物の氣志團のメンバーでは?」ということに気がついた瞬間、その「?」が片っ端から「!」に変わっていく。


「みんなはロックンロールが大好きですよね? インチキバンドは消えればいい!」と語る翔や……もとい謎のヴォーカル。「2011年、音楽は、さらに不況の時代へ。CD売れません! それでも今日確認しました。これほどまでにロックンロールを愛してる人がたくさんいるんだなって。僕たちは本物のロックンロールを伝えたくて、このような暴挙に出てしまいました。我々は来年デビューするバンドです。18歳、OKAMOTO’Sの2個下です!小粋なナンバーで、お前たちを血祭りに上げてみせる!」。「氣志團がステージから追いやられる」というシュールな自虐とギリギリのユーモアでもって、今この瞬間にとびっきりスペシャルな輝きを与えていく6人。「みなさんのポカーンとした表情がどうにも解せない! 初めて体感するロックンロール……きっとビートルズが来日した時、こういう感じだったんだろうなと思います」とわざと気取った口調で語り、「先ほど撃退した氣志團さんに敬意を表して、そして彼らとの別れを惜しんで……」と粛々と述べた後で「彼ら」の必殺ナンバー“One Night Carnival”へ! 「氣志團なきステージ」に響き渡る、氣志團の音と歌。「『彼ら』へのはなむけとして、もっと歌ってあげてもいいと思います!」とフロアを全力のコーラスへと煽ってみせ……とやりたい放題やった挙げ句、最後は♪年の始めの姫始め~と歌いながらEXILEダンスをキメて退場! 来年でデビューから10年、やっぱり彼らは日本ロック界最大の飛び道具だ。(高橋智樹)