KEN LLOYD（FAKE?/OBLIVION DUST）、SHIGEO（The SAMOS/元・SBK）、桜井誠（Dragon Ash）、ケイタイモ（元・BEAT CRUSADERS）というユニークな実力派が顔を揃え、つい先頃セルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリースしたばかりのATOM ON SPHERE。もちろんCOUNTDOWN JAPANには初登場！　深いブルーの照明に沈んだステージに期待感を増幅させるエレクトロニックなシークェンスが響き渡り、KENが中央へと歩み出て扇動的な“Molotov”からパフォーマンスがスタートする。セクシーなアジテーターであるKENの斜め後ろで、ケイタイモがベースを弾きながら腰と膝をウネウネと動かしている図は余りにも新鮮、しかしそれ以上に、メンバーの衣装を含めてATOM ON SPHEREという世界観ががっちりと出来上がっていることに驚かされるのだ。サクのパーカッシヴなドラム・プレイが弾けまくる“Swallow”、そしてSHIGEOのギター・プレイと、彼をはじめとした美しいコーラスが疾走感の中に映える“Goodnight Blue”と、華やかなダンス性を維持しつつ多彩なナンバーを披露してゆく。
「CDJコンチハー!!　ATOM ON SPHEREです！　今日は一緒に踊って楽しみまショウ！」とKENが軽やかに挨拶を挟み込み、今度はSHIGEOがパッドを打ち鳴らすダーティーで不敵な“My Vision”。それにしても、ダンス・ロック隆盛の今日にあって、本当にさまざまなダンス・グルーヴの形を見せてくれるバンドだ。この辺りは、メンバーそれぞれのキャリアと、その先に見つけた出会いがあればこそ得られた財産、というところだろうか。時折、向き合ってプレイするサクとケイタイモのリズム隊もすごく楽しそうに見える。この日の最後に披露された“Telephone Eyes”のキラキラしたサウンドと広がるハーモニー・ヴォーカルの眩しさは、決してステージ照明によるものだけではなくて、ASTRO ARENA内の光量をぐっと高めていたような気がする。思い思いに体を揺さぶっていたオーディエンスたちは、音が鳴り止んだ途端に、改めてウオオオーッ！と大きな歓声を上げたのだった。（小池宏和）