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地鳴りのような轟音SE、そして明滅するグリーンのレーザーが満場のオーディエンスを焚き付け、(アルバム・ジャケットに描かれた)豚型マスクを被ったバンド・メンバーが姿を現せば一際ドデカい歓声が沸きあがる。そう、続くアクトはTHE MAD CAPSULE MARKETS・上田剛士が2008年に始動させたプロジェクト:AA=! オープニングの"prologue"からバケモノのような爆音がオーディエンスを猛襲。ステージを駆け回りながらTAKESHIはベースを掻き鳴らし、SHIRAKAWAの高らかなボーカルとシャウトが聴衆をアジテートする。マスクを脱ぎ捨てて"DIGItoTAL"へと雪崩れ込めば、メタリックなギター・リフと重量級のバスドラが生み出す驚異的マグニチュードにCOSMO激震! SHIRAKAWAとTAKESHIのツイン・ボーカルでたたみかける"meVIR"では、フロアに無数のコブシが突きあがって一気に沸点へ!(すげぇ熱気!)

そんなオーバーヒートするオーディエンスに、「楽しんでますか? マクハリ!!」とTAKESHIが語りかける。「俺たちがAA=です、どうぞよろしくお願いします! 2年前の『COUNTDOWN JAPAN』で初めてバンドとして動き出しました。言ってみれば、この場所は俺たちが"生まれた場所"でもあります。今日は自分たちの家に帰ってきたようなつもりで存分に暴れていくんで、よろしくお願いします! みんなは自分のスタイルで自由に楽しんでってください!!」と呼びかけ、"FREEDOM"、"GREED..."、"TEKNOT"と劇薬のような爆音ナンバーで畳み掛ける。圧倒的な音圧と統制力でオーディエンスは狂信的なまでにヒートアップ。まるでAA=という名の"帝国"が築かれてしまったようだ。終盤の、世界のあらゆる"悪"を糾弾する"I HATE HUMAN"では、「I HATE HUMAN! I HATE HUMAN!!」と怒号のようなシュプレヒコールが沸き上がり、一転、スカのリズムが軽快な"ROOTS"ではCOSMO中がダンス! ダンス! ダンス! 「ありがとうございます! 今日はたくさん集まってくれて、そして最後まで残ってくれて感謝します! 俺たちAA=は来年もがんがんライブやってくつもりなんで、また遊びにきてください!」と再びTAKESHIが語り、続けて「あらゆる世界の矛盾は貧困、暴力、不平等によって生まれています! そして俺たちは未だに、それに対抗する術を持っていません。だから俺たちは、この音で対抗します!!」(TAKESHI)と声を限りに叫んで、ラスト・チューン"PEACE!!!"で幾度目かのクライマックスへ! ひとりひとりを見渡して、拍手と感謝を届けてステージを去るTAKESHIとオーディエンスとの間には、別ち難い絆が確かに見えた。(奥村明裕)