メニュー


開演前からMOON STAGEに詰め掛けた見渡す限りの人、人、人。それもそのはずというか、2010年ロック・シーンの台風の目と呼んで差し支えないだろう、OKAMOTO’Sの登場である。ユニオンジャック柄がデカデカとプリントされたジャケットがこれほど似合う男というのもなかなかいない、オカモトショウが吐き出す不吉な予感とワクワクするスリル感に満ちた歌“マダラ”から演奏はスタート。ロックンロールの神秘にリーチしようとするオカモトコウキのギター・リフと、図太い漆黒のグルーヴを担うハマ・オカモト(B)&オカモトレイジ(Dr)のリズム隊が、今年メジャー・デビューした若きバンドとは思えない鉄壁のアンサンブルを放っている。「Say CDJ!」「CDJ!」「COUNTDOWN!」「COUNTDOWN!」と、満場のオーディエンスを相手取ってのコール&レスポンスもがっちりと決まる! キラキラしたポップ・チューン“Telephone Telephone”や、若きリビドーが渦を巻く“Beek”と、どんな曲調であっても“ロックンロールが生まれつき分かっちゃってる”この感じは本当に凄い。

「2010年も残りわずか、最後まで笑っていこうぜ、イェー!」とショウが告げ、“笑って笑って”では《幕張で 何をする》と歌詞を変えて歌う。甲高い悲鳴を上げ続けるようなコウキのギターがまた大群衆をヒートアップさせていった。「カウントダウンは大変だぞ、みんな。油断してると年は越せないぞ。2000年問題のとき俺たちはまだ10歳だったけど、俺は10年ごとに大変なんだ、イェー。そ、そ、足踏み♪ 足踏みしないと年は越せないぞ♪」と今度は自らのソウルフルな節回しだけで調子を取って、“Stomp Feet Stomp”も披露する。恒例のザ・ルースターズの高速カヴァー“恋をしようよ”では、《やりたいだけ》という名フレーズをオーディエンスに何度も繰り返し叫ばせてみせる。ラスト・ナンバーの“Run Run Run”まで、まさに2010年を席捲した勢いのまま駆け抜けるパフォーマンスであった。(小池宏和)