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 フィードバック・ノイズのSEが渦巻く中、静かに現れた凛として時雨の3人。EARTH STAGEを満たした数万人の歓声とどよめきを、♪鮮やかなクラクション~というTK(Vo・G)の絶唱が切り裂いていく。“鮮やかな殺人”だ。触ると切れそうなほど鋭利なギター・サウンド。オーディエンスの焦燥感を煽っていく、TK&345(Vo・B)の悲鳴のような歌声。そして、巨大な空間をびりびり震わせるピエールの阿修羅ドラム。ロックと書いて危機と読むような性急で切迫した音が、“想像のSecurity”“ハカイヨノユメ”でダイナミックにEARTH STAGEを揺らしていく。曲の中でテンポを変えビートを変え、静と動を自在に行き来して、次々に背徳的なサウンドスケープを展開していく3人。“DISCO FLIGHT”では数万人を大ジャンプに導いたり、“Tremolo+A”ではアコギでやわらかな音の風を吹かせたり……と3ピースとは思えない多彩な音を鳴らしつつ、その張り詰めた集中力は一音たりとも途切れることがない。“moment A rhythm(short ver.)”の目も眩むような音響美。“Telecastic fake show”の衝撃映像集のような壮絶な音像。最後は“nakano kill you”炸裂! 破格の成長を遂げた2009年の集大成のような熱演だった。(高橋智樹)