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オレンジ色の照明に包まれた幻想的な雰囲気の中、現れたのはPeople In The Box。穏やかな“月曜日/無菌室”、疾走と徐行を繰り返す“水曜日/密室”、小気味いいビートから急転直下で激昂へ向かう“火曜日/空室”と、最新ミニアルバム『Ghost Apple』の楽曲を畳み掛けていく。立ち尽くしているオーディエンスが多いのは、波多野裕文(Vo&G)の甘い歌声に酔いしれているからなのか、楽曲の意表を突く展開の数々に驚いているからなのか!? さらに、そんな世界観と、山口大吾(Dr)のMCの陽気さとのギャップがまたまた衝撃的(オーディエンスに「『Ghost Apple』ヒ~ハ~!」と言わせたあたりなんて、特に!)。そこから、再び楽曲の世界観に引き戻すように、来年リリースされる1stシングル『Sky Mouth』から、“天使の胃袋”を披露。そして福井健太(B)が両手を挙げると、“ペーパートリップ”がスタート。最後、出し尽くすように叫び歌い、激しくギターを奏でる波多野。アウトロから延々と響き続けるノイズに重ねるように、山口がドラムを叩きはじめ、そのままラストナンバー“ヨーロッパ”へ。まるで言葉を紡ぐようだった波多野の歌が、徐々に熱を帯びていき、絶唱へと向かっていったその流れは、眩しい照明と相俟ってキラキラ輝いて見えた。音が止むと、フロアから惜しみない拍手が沸き起こっていた。(高橋美穂)