メニュー


去年もこのMOON STAGEに登場したGood Dog Happy Menだが、その頃は2枚のEPと1枚のフルアルバムからなる壮大でファンタスティックな3部作『the GOLDENBELLCITY』を完成させたばかりで、その世界観の再現に徹していた。今回のライヴも基本的にはそれらの作品からの選曲だったが、今年 DVD『Memory of the GOLDENBELLCITY』のリリースで、GDHMは既にその物語に終止符を打ったわけで、だから今回のライヴは極めてストイック。MCを含め特別な演出はなにもなく、ただひたすら曲を聴かせることに徹底したパフォーマンスはバンドとしての底力をストレートに伝え、だからこそ未来を見据えたポジティヴィティに漲っていた。にしても、彼らの楽曲には相変わらず不思議な気持ちにさせられる。“寓話”、“おとぎ話”という言葉を用いて形容された『the GOLDENBELLCITY』は、確かにそういう傾向が強い作品だが、それぞれの曲には間違いなく超リアルで超エグイ人間性が宿っている。今回のライヴではそれがストレートに露呈されていて、それがかもし出す緊張感がたまらなかった。数少ない(っていうか唯一の)MCで来年は絶対にアルバムを出すと語っていた門田だが、それに対する期待が膨らむばかりのライヴだった。(内田亮)