イギー・アンド・ザ・ストゥージズのスコット・アシュトンが逝去。享年64歳

イギー・アンド・ザ・ストゥージズのスコット・アシュトンが逝去。享年64歳

イギー・アンド・ザ・ストゥージズのオリジナル・ドラマーのスコット・アシュトンが3月15日に他界した。享年64歳だった。死因は明らかにされていないが、2011年に卒中に倒れて以来、演奏活動からは離れていた。

イギー・ポップは次のような声明を発表している。
「スコットは素晴らしいアーティストだったよ。俺はスコット・アシュトンほどドラムに意味を持たせて叩くアーティストは他に会ったことがないんだ。スコットは俺には兄弟のような存在だった。スコットは兄のロンと共に大きな遺産をこの世に残したんだ。アシュトン家の人々はこれまでもそうだったし、これからも俺には第二の家族のようなものだよ。俺の思いはスコットの妹のキャシーと妻リズとスコットにとって人生の光となっていた娘リアンナとともにあるよ」

スコットはワシントンDC出身だが、14歳の時に家族でミシガン州アンアーバーに居を移し、やがて兄のロン、ストゥージズのオリジナル・メンバーでベースのデイヴ・アレクサンダーと音楽活動を始める。その後、イギー・ポップをヴォーカルに迎えてから本格的な活動を始め、バンドは1969年にファースト『イギー・ポップ・アンド・ザ・ストゥージズ』をリリースした。70年にはセカンド『ファン・ハウス』をリリースし、どちらも後世に大きな影響をもたらす傑作となったが、セールスには恵まれず、エレクトラ・レコードとの契約を打ち切られることになる。

デヴィッド・ボウイとの知己を得たイギー・ポップは、ジェイムス・ウィリアムソンと共にイギリスでコロムビア・レコードとの契約にありつくが、レコーディングをロンドンで行った際、ほかのミュージシャンを雇おうと思ったものの、土壇場でロンとスコットを呼び寄せて73年の『淫力魔神(ロー・パワー)』を形にすることになった。しかし、この作品もセールスが奮わず、またイギーの薬物中毒がたたってバンドは翌年解散している。

その後、ロンはJ・マスキスのザ・フォグに参加することになり、ここでストゥージズのカヴァーが行われたのと、スコットが客演したことが話題になり、2003年のコーチェラ・フェスティヴァルでついにザ・ストゥージズの再結成が実現した。

ロンが2009年に心不全で他界すると、ギターにかつてロンの後任としてバンドに加わったジェイムスが加わっていたが、11年にはスコットもフェスティヴァル出演後の移動中に卒中に襲われ、その後は活動から遠のいていた。
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