モトリー・クルーのヴィンス・ニールとニッキー・シックス、解散は東京で決めたと語る

モトリー・クルーのヴィンス・ニールとニッキー・シックス、解散は東京で決めたと語る

今年の夏から最後のツアー、「ザ・ファイナル・ツアー」に乗り出し、2015年いっぱいでツアー活動を一切終了することを明らかにしたモトリー・クルーだが、ヴィンス・ニールとニッキー・シックスは今回の解散を決意した心境を『ローリング・ストーン』誌に語っている。

1月28日に開いた記者会見では「ツアー終了合意書」にメンバー全員で署名もしてみせたが、記者会見でニッキーはドラムのトミー・リーの発言を引用し、「おっぱいにお乳がなくなる前に」やめておきたいのだと解散の理由を説明している。そもそも潔く解散してしまおうという意見はニッキーから出たものだそうで、バンドで来日していた際にニッキーがヴィンスと東京で話し合っているうちに出てきた話だったとか。

「冗談としてしばらく前から口にしてたんだけどね。日本でヴィンスと話してるうちに、『どういう形でこの先記憶されたいか』という話になったんだよ。5年、10年と経ったら、それでも今と変わらない立場にいるかもしれないけど、その一方で自分たちが今現在どういう曲がり角にいるのかもわかるんだよ。だから、威厳をもって身を引くにはどうやればいいのかっていう話なんだ。たとえば、人がTシャツを着るにしたって、ラモーンズTシャツを着込んだら『今日は出かけるから、ラモーンズにしよう、これなら恥ずかしくないし』ってことになるわけで、モトリー・クルーもそうなってほしいんだ。20年後にデビュー・アルバム『華麗なる激情』のTシャツを着てもらって『あいつらヤバかったな』って思われるっていうさ。よぼよぼになって終わったんじゃ、そうはならないんだよ」

なお、バンドは90年代から00年代にヴィンスやトミーの脱退などを経験しているが、05年からはオリジナル・メンバーでの再結成を果たして現在に至っていて、それだけに再結成の繰り返しはありえないとしている。今回のツアーのタイトルを「さよなら」ではなく「最終」としたのもそうした思い入れの表れだとヴィンスは次のように説明している。

「『モトリー・クルーは終わった、さようなら』とは言いたくないんだよ。そうやってメンバーが何人かやめて、その後代わりが入ってくるとまたモトリー・クルーとしてツアーを始めるっていう。俺たちはオリジナル・メンバーだけで今もやっている数少ないバンドの一つなんだ。だから、やめる時もそういう形にしたいんだ。同じ野郎4人で、自分たちで決めた通りにやめると。やめなきゃならなくてやめさせられるんじゃないんだよ」

なお、記者会見で「ツアー終了合意書」に全員で署名した心境はどんなものだったのかという問いにニッキーは次のように答えている。

「あれは実際の契約書のダミーだったんだよ。実際の法的な書類は全員で先週もうすべて署名も済ませてあるよ。これはみんなの思いつきっていうもんじゃなくて、長い時間をかけてビジネス専門の弁護士とも話し合って、あらゆることを検証して間違いがないようにやってきたことなんだ。それも全部終わったと。だから、もう引き戻せないんだよ。すごく急いでいろいろやってきてるから、なんだかまだ実感が湧かないんだけどね。全部終わったらようやくわかってくるのかな。その時点ではもうバンドのメンバーも全員それぞれのクリエイティヴな活動に乗り出しているはずだけど、このバンドが懐かしくなってくる瞬間もあるだろうね。でも、まだそこには至ってないから、涙もまだ出てこないよ」
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