ピンク・フロイドの『狂気』の原題である「Dark Side of the Moon」の色の観測に成功

ピンク・フロイドの『狂気』の原題である「Dark Side of the Moon」の色の観測に成功

ピンク・フロイドの代表作の1枚として有名な1973年の『狂気』の原題である「月の陰の部分(Dark Side of the Moon)」について、天文研究家らはその色について「青緑色(Turquoise)」であると意見が一致したという。

色彩の測定はアメリカ大洋大気省のハワイ州にあるマウナロア観測所で2年間にわたって行われてきたが、望遠鏡や高感度カメラを持ち込んだ国際的なチームによって研究が行われ、アルバムの原題も正確には「月の陰の部分(Dark Side of the Moon)」というよりは「月の青緑色の部分(Turquoise Side of the Moon)」と言うべきであることが確認されたと『ザ・ガーディアン』紙が伝えている。

なお、「月の陰の部分(Dark Side of the Moon)」とは「月の裏側」とは別で、あくまでも地球に面してはいるが、月の満ち欠けにしたがって陰になる部分を指しているという。月の陰の部分は地球によって太陽光線を遮られているが、地球に反射した光線によって照らされていて、その色が一番はっきりするのは月が完全に欠ける新月の時だとのこととか。

「月の陰の部分の光とは厳密に言うと、太陽光線がまず地球に当たり、地球の色を帯びて、月に反射され、月に当たり、それがまたわたしたちに向かって反射している光のことを言います」とデンマーク気象学研究所の主任研究員でこの研究に詳しいピーター・タイルは説明している。

「月面から地球を望んだ宇宙飛行士らは地球を、青い大理石のようだと言い表していて、わたしは宇宙に行ったことがないのでこれが正確に何色を指しているのかはわかりませんが、その青色がいったん月に照射され反射すると、青緑に変わるのです。トルコ石色(turquoise)と呼んでも構わないでしょう」

月の陰の部分の色の測定は1965年にも南アフリカで行われたことがあるが、ここまで正確な測定は今回が初めてのことだとタイル博士は語っていて、この色をデータ化することで地球の色の測定データも得られ、気象の変化の分析などにも役立つはずだという。
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