プッシー・ライオット、自国ロシア・メディアの取材に閉口

プッシー・ライオット、自国ロシア・メディアの取材に閉口

ソチ五輪対策の恩赦で釈放されたプッシー・ライオットのナジェージダ(ナージャ)・トロコンニコワとマリア(マーシャ)・アリョーヒナは二人揃ってロシアのメディアの取材に12月25日に応えたが、ロシア・メディアの質問に閉口した様子だったとニュースサイトの「バズフィード」が伝えている。

インタヴューはロシアのクセニア・ソブチャク記者が行ったもので、最初に世界的に有名で裕福な人物として出所したがプッシー・ライオット・ブランドの時価とはどんなものかと問われ、二人は「質問の意味がわからない」と返答。するとソブチャクは23日に他界した世界的に有名な自動小銃AK-47の設計者ミハイル・カラシニコフを引き合いに出して、プッシー・ライオットはロシアが誇る世界的なブランドだということだと質問を補足したが、ナージャは「ブランドについて話すのはあまり意味がないと思う」と答えたという。

インタヴューは終始してこうした寒い空気の中で行われ、ソブチャクはなぜ国民に支持されないような活動に励むのか、ソチ五輪を妨害するつもりなのかなどといった質問を投げかけていったという。こうした質問にマーシャとナージャは「人が気に入りそうなことをわたしたちはやるのではなくて、人に考えるきっかけを与えることをやるのであって、それについては成功以上の成果を得られたと思う」「たとえオリンピックを妨害しようと思っていたとしてもここでそのことを話すわけがない」などと、極力ソブチャクに対して真摯に答えていったが、ソブチャクが二人をポール・マッカートニーとジョン・レノンや、デスティニーズ・チャイルドにたとえると、二人は返す言葉も失っていたと伝えられている。

さらにソブチャクがナージャに対してソロになる気はないのかと質問し、その理由として誰も今ではデスティニーズ・チャイルドのことは憶えていないが、ビヨンセなら今でも有名だからだと説明すると、ナージャは「中身のない話は好きではない」と語ったとか。また、ソブチャクはマーシャに対して容姿がきれいで唇もふっくらしたナージャばかりが注目されるのは性差別だとは思わないかと投げかけ、きれいな方ばっかり選ばれるのは不公平だとは思わないのかと問いかけたことに、マーシャは「そういう挑発的な質問をするあなたのモラルを疑います」と返答している。

この取材はロシアで行われたものなので、記者のソブチャクが政府側の意向を汲んで意図的にこうした質問ばかりを行ったことが考えられている。また一方でアメリカのテレビ局NBCのプッシー・ライオットの扱いについても話題になっており、番組のキャスターのブライアン・ウィリアムズは事件のあらましも紹介しながらも、ただの一度もバンド名である「プッシー・ライオット」について触れなかった。理由は「プッシー」が英語では女性器を表す隠語だからで、世界的に活動するハッカー集団のアノニマスも、ツイッターでNBCでは「プッシー・ライオット」を放送中に読み上げることの禁止令が社内で発令されていることが明らかにされている。
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