ロジャー・ウォーターズ、イスラエルのパレスチナ政策がナチスに酷似と発言

ロジャー・ウォーターズ、イスラエルのパレスチナ政策がナチスに酷似と発言

パレスチナ自治区でのイスラエルによるアラブ人への対応をことあるごとに批判してきている元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズだが、ここにきてイスラエルの対応をナチス・ドイツと比較したことで猛烈な反発と物議を呼んでいる。

ロジャーはパレスチナ自治区における実質的なイスラエル占領地域でのイスラエル側によるアラブ人への抑圧政策は非人道的なものだと主張していて、様々なロック・ミュージシャンにイスラエルでの公演をボイコットするようにかねてから訴えている。そして先週公開されたオンライン・インタヴューでパレスチナ自治区ではびこっていることは「1930年代にドイツで行われていたこととあまりにも酷似している」とロジャーが語ったことから、大きな批判をユダヤ系団体などから受けていると『ザ・ガーディアン』紙が伝えている。

アメリカのユダヤ教ラビで著作家や社会的な発言などで有名なシュムーリー・ボーティアクは次のように『ニューヨーク・オブザーヴァー』紙に寄稿している。
「ウォーターズ氏に申し上げたいのは、ナチスとは600万人ものユダヤ人を殺害した虐殺的な政権だったということです。ユダヤ人への殺戮の限りを尽くしたナチスにユダヤ人を敢えてたとえてみせるあなたの厚かましさは、あなたに品性も心も魂も備わっていないことを意味しています」

こうした人格批判に対してロジャーは次のように反論したという。
「僕はラビ・ボーディアクを知らないし、ここで論争を始めるつもりもないですが、これだけは言わせてもらうと、僕はユダヤ人やイスラエル人に対して敵意を持つ者ではないし、反ユダヤ主義者でもありません。ただ、(パレスチナ自治区における)占領地やガザ地区で行われているイスラエル政府の政策を嘆いているのです。それらは非道徳的であり、非人間的であり、非合法だと言っているのです。こうした政策をイスラエル政府が続けていく限り、僕も非暴力的な抗議活動を続けていくことになります。

もしラビ・ボーディアクがイスラエル政府の擁護をできるというのなら、僕はぜひそれを聞かせてもらいたいところです。イスラエル政府の政策を正当化することはほとんど無理ですから、イスラエル政府支持者はたいがい目くらまし戦術を使って、批判を行った人物を公でただひたすらにその人物は反ユダヤ主義者だと中傷し続けるというのが常です。

ホロコーストは僕たちの想像を越えた、むごたらしく唾棄すべき事件でした。だからこそ、忘れてはならないことなのです。常に警戒心を働かせていなければならないのです。他人が苦しんでいるのを黙認し、無関心に見過ごしてはいけないのです。それはその苦しんでいる人がどのような人種で、肌の色をしていて、民族的背景があって、宗教的な背景があったとしても、見過ごしてはいけないのです。すべての人類は法の下に平等に生きる権利を有しているのです」

しかし、その後もロジャーは様々なユダヤ系団体や人物から批判を浴びていて、ロジャーのイスラエル渡航ボイコット・キャンペーンに対して、イスラエルにもアラブ系住民への圧政に反対を唱える勢力はあるとして、それを確認するためのイスラエル渡航キャンペーンなどが張られていたりしている。
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