ボブ・ディランの"Like A Rolling Stone"のビデオについて制作スタッフが解説

ボブ・ディランの"Like A Rolling Stone"のビデオについて制作スタッフが解説

先日公開され、16チャンネルの画面を選択できるインタラクティヴ動画として話題になっているボブ・ディランの“Like A Rolling Stone”のミュージック・ビデオだが、このクリップの監督を務めたヴァニア・ヘイマンはその意図について語っている。

このインタラクティヴ・ビデオでは、チャンネルをクリックすることでドラマ風の映像やテニスの試合、ニュース番組など様々な映像を選択することができるが、出演している人物がみな歌詞に合わせて歌っているという仕掛けになっている。その一方で1チャンネルだけ、1966年のボブとザ・ホークス(ザ・バンド)のライヴ映像を伝えるものになっている。ヘイマンはこの仕掛けについて次のように語っている。

「チャンネルがリアルじゃないと全然シュールなものにはならないんだよね。そもそもチャンネルをころころ変えるのはすごく受け身な行為なんだよ。自宅でなんにもやることがない状態なわけだからね。その行為そのものを能動的なものに作り変えたかったんだよ」

ヘイマンによれば、出演者も撮影中、戸惑いを隠せないようだったと振り返っていて、ヘイマンもいつも「最後には全部繋がるんだよ」と説得して作業を続けていたという。お料理番組の映像の担当になった女優はリハーサルをすべて普通の料理番組のトークでまずは行って、動きの流れを憶えたら最後にトークを“Like A Rolling Stone”の歌詞に置き換えて撮影に臨んでいたとか。ちなみにこの女優が作っていたデザートはちゃんと家でも作れるもので、材料なども画面に説明されているという。

なお、ヘイマン監督も映像に出演していて、ニュース番組中に登場する刺傷事件の被害者を演じていて、2番目のヴァースの歌詞を歌っている。また、このクリップを製作したインタールード・スタジオのヨニ・ブロック代表によると、すでにビデオは大評判になっていて、さまざまなテレビ番組のスタッフから実際の番組映像をチャンネルに加えてほしいというオファーが舞い込んできているという。

“Like A Rolling Stone”のミュージック・ビデオはこちらから。
http://video.bobdylan.com/
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