音楽を目的の観光がイギリスに約3500億円の経済効果をもたらしていることが明らかに

音楽を目的の観光がイギリスに約3500億円の経済効果をもたらしていることが明らかに

イギリスの音楽産業はイギリスの観光産業に22億ポンド(約3540億円)もの経済効果を2012年にもたらしたことが新しい調査報告で明らかになっている。

イギリス政府の観光局にあたるヴィジット・ブリテンと音楽産業全般の協賛団体であるUKミュージックの共同で行った調査報告「ザ・ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア」によれば、昨年イギリスを訪れた観光旅行客のうち650万人は音楽フェスティヴァルもしくはライヴを観る目的でイギリスに来ていたことが明らかになっていて、観光産業に13億ポンド(約2093億円)の経済効果をもたらし、ひいては音楽興行業や宿泊業界にも大きな収益をもたらすことになった。また、報告によれば、イギリスの音楽オーディエンスのうち観光旅行客はその41パーセントを占めていて、昨年のイギリス経済全体に9億1400万ポンド(約1471億5千万円)もの経済効果をもたらしたとのことだ。

平均値に換算すると音楽フェスティヴァルに参加する観光旅行客はイギリス滞在中に910ポンド(約14万6千円)支出していて、ライヴを観に来ている旅行客は一人当たり602ポンド(約9万7千円)を落していくという。

UKミュージックのジョー・ディップルは今回の報告書の出来は「音楽観光」の全貌を見渡す上でこれまでになかった画期的な内容になっていると『ミュージック・ウィーク』誌に語っている。特に2012年が音楽業界からみれば、フェスティヴァル主催者泣かせな悪天候続きになったこと、グラストンベリー・フェスティヴァルは休みの年だったこと、オリンピックという競合イヴェントがあったこと、さらに経済全体が不況にあったことなど、不安材料が多かったことを指摘し、「直接、あるいは間接的に22億ポンドも使われたというのは、問題続きな1年だったことを考えればとんでもなく好印象な数字ですよ」と語っている。

「さらに音楽オーディエンスのうち観光旅行客が650万人もいることもまた印象的ですね。しかも、イギリスを訪れる観光旅行客の全体の6パーセントの人たちが音楽オーディエンスによる支出の20パーセントを担っているという事実も、わたしたちやヴィジット・ブリテンにとってより多くの観光旅行客をもっと呼び込むべきだというターゲットとなるわけです。というのも、こうした旅行客がイギリスで一番お金を遣ってくれるからです」

さらに報告によれば、カフェやレストランは音楽が流れているほど客に利用される頻度も高いという数字が出ていて、スコットランドの飲食店利用客300名については、利用客の60パーセントはレストランやバーで音楽が流れているとより多くお金を遣うという統計データが出ているという。

今回のザ・ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア報告書は調査団体のオックスフォード・エコノミクスによって作成され、チケット窓口、興行団体、コンサート会場や著作権管理団体などの調べを集計してデータを得たという。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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