マイク・ラヴ、ビーチ・ボーイズの50周年プロジェクトで感じていた違和感を語る

マイク・ラヴ、ビーチ・ボーイズの50周年プロジェクトで感じていた違和感を語る

8月28日にCD6枚からなるボックス・セット『カリフォルニアの夢』をリリースするザ・ビーチ・ボーイズだが、現在、ブライアン・ウィルソンらと袂を分かち、ブルース・ジョンストンと共にビーチ・ボーイズとしてのツアーを続けているマイク・ラヴは今後もオリジナル・メンバーによるビーチ・ボーイズの再結成の可能性はあると語っている。

ビーチ・ボーイズはマイクとブルース、さらにブライアン、アル・ジャーディーン、デイヴィッド・マークスとオリジナル・ラインナップが揃った形で昨年結成50周年ツアーを行い、20年ぶりのオリジナル・アルバムとなった『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~』をリリースしたが、ツアー終了後にマイクはブルースとのみビーチ・ボーイズとしてのツアーを続行することを発表し、物議を醸すことになった。

ここにきてマイクは、昨年の再結成ツアーについて「ツアーのやり方ややっている人たちについて僕としては深刻に問題があると思っていた」と明かしていて、さらに今後、同じような再結成ツアーが組まれる可能性については次のように『ビルボード』誌に語っている。

「僕が信用していて、好きで、一緒にやっていて光栄だと思えるスタッフとともにやるという条件でのみありうるかな。僕は別に従兄弟のブライアン(・ウィルソン)と一緒の部屋で演奏することについてはなんのわだかまりは感じないんだよ。けど、ことはそれほど単純なことじゃないんだ」

ただ、マイクは確執の原因そのものには触れようとしなかったと『ビルボード』誌は指摘しているが、これまでもブルースと「ビーチ・ボーイズ」としてのツアーを行ってきたマイク側のツアー・メンバーやツアー・スタッフが50周年ツアーではほとんど採用されず、ブライアン側の人間ばかりになったことがわだかまりを生んだと考えられている。なお、「ビーチ・ボーイズ」として名乗ってツアーを行う権利はマイクが所有していて、ブライアンは1965年にビーチ・ボーイズのツアーから離れて以来、これまで「ビーチ・ボーイズ」のツアーに本格的に参加したことはなかった。

また、マイクによれば、『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~』の作業も期待していたものとは違っていたと訴えていて、元々このプロジェクトではブライアンやマイクらで「60年代にやっていたようにまっさらなところから楽曲を書くことになっていたのに、それは結局、許されないことになって、それは僕のせいではなかったんだ」とマイクは説明している。結局、作業は「なにも実らない結果になった」とマイクは説明していて、プロジェクトは「別の方向性がもたらされることになったんだ。ブライアンによってではなく、他の人たちからね」とマイクは語っている。ただ、これ以降もブライアンとの作曲プロジェクトやツアーはやってみたいとマイクは明らかにしている。

その一方でブライアンは秋にもソロ新作のリリースを控えていて、ジェフ・ベックとのソロ・ツアーも控えている。また、60曲近くの未発表トラックを収録した『カリフォルニアの夢』についてはメンバー全員が同等に関わることになったとマイクは次のように語っている。

「曲の並びや選別、それと全体的なコンセプトについて僕もかなり関わらせてもらったよ。自分たちの背景や音楽的な趣向に照らし合わせて、関わった人たち全員がそれぞれに違ったビーチ・ボーイズに対する考え方を持っているわけだから、すべての時代や関わった人たち全員とそれぞれの貢献を表すような作品にしようと思ったんだよ」
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