U2のボノ、バンド事業のアイルランド国外移転に対する税金逃れという批判に答える

U2のボノ、バンド事業のアイルランド国外移転に対する税金逃れという批判に答える

2006年にバンドの事業をすべてアイルランドからオランダに移し、税金逃れとして度々批判を受けているU2だが、ボノはアイルランドのRTEテレビのインタヴュー番組『ザ・ミーニング・オブ・ライフ』に6月25日に出演し、バンドの正当性を訴えた。

元々アイルランドではアーティストに対して所得税を全額免除するという政策を2006年まで取っていたが、この年を最後にアーティストへの課税が実施されることになるとU2はバンドに関連する事業をすべて税がより有利なオランダへと移したことで知られている。しかし、アイルランドは他方で税が他の国より優遇されている業種や事業形態もあり、ボノはそうした条件を活かして企業をアイルランドに自分が誘致したことを力説している。

「みんなにはU2がビジネス体として行動することがショックと恐怖をもたらす瞬間になるんだね。そもそもぼくたちアイルランド人は北大西洋に浮かぶ石くれの上に生きているわけだから、政府も国税庁も税の優遇をアイルランドの経済活動の中心的要素にしていかないと、島ごと海に沈んじゃうよね。だからこそ、グーグルやフェイスブックなどといった企業がアイルランドに拠点を置いているわけで、そうした企業をアイルランドに誘致したのは他ならない僕なんだよ」

「どっちみち、僕らは多額の税金を払っているんだけど、税に関しては少しでも抑えたいということに僕らは敏感だし、それはどんな企業でも同じことだよ。人が理想主義的だという活動を僕としては現実的な活動に過ぎないと思ってるんだけど、そういう活動に僕がたまたま携わっているからって、どうしてU2がビジネス的にシビアじゃいけないんだろうかと僕は訊きたいよ」

「僕はシビアな人間なんだよ。歌っていることはとてもプライヴェートで繊細な内容だし、アートに携わってもいるわけだけど、僕はシビアな思考をする人間だし、知的なところでは厳格なタイプだと自分では思ってるんだ。U2の税対策は僕ら自身のビジネスの問題で、これは法にかなっているだけでなく、法の精神にもかなったものなんだ」

また、ボノは自身が一般の人々の感覚から遊離してしまっているのではないかという質問に対しては次のように語ってみせている。
「僕の子供たちは普通の学校に、公共の学校に通ってるんだよ。自分じゃ普通の生活から少しもかけ離れてるとは思わないけど、きっとそういうことなのかもしれないね」

なお、今月に入ってアイルランドの社会保障大臣ジョーン・バートンがU2のオランダへの事業移転を税金逃れとする批判発言を行っていて、ボノの今回の発言もバートン大臣への返答かと考えられている。
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